アセチルコリンが機能性ディスペプシア治療の鍵
機能性ディスペプシアはこれまで効果的な治療法が見つかっていませんでした。じつは機能性ディスペプシアの原因はアセチルコリンという神経物質。その治療法もアセチルコリンが鍵を握っていたのです。『ためしてガッテン!』で紹介されていました。
アセチルコリンはストレスに弱い
食べ物は胃の下部に溜まって消化されていく…というイメージが一般的ですが、実際は「逆」です。胃に入った食べ物は、上部に留まっています。上部に溜まった食べ物を少しずつ下部へ押し出して、胃酸で徐々に消化しているのです。
ところが、胃弱体質の人は胃の上部に食べ物を留まらせることができていません。このため、消化プロセスが破綻してうまく消化が進まないだけでなく、胃の痛みが発生したりします。これが機能性ディスペプシアという病気です。
そして、機能性ディスペプシアと深い関わりを持つのがアセチルコリン。アセチルコリンは神経伝達物質のひとつで、胃のふくらみや収縮の命令を伝達する役割を果たします。ただし、ストレスに弱いのが難点です。
アセチルコリンの働きを戻す薬
健康な人の胃はアセチルコリンが働いて、食べ物は胃の上部に滞留します。ここでストレスを感じるとストレス信号が脳から胃へ伝達。すると、ストレスに弱いアセチルコリンは減少してしまうのです。
これが胃の不調のきっかけとなって、食べ物がうまく消化されなくなってしまいます。すると、この胃の不調が脳へ伝達されると、これをストレスと判断して脳から胃にストレス信号が伝達。アセチルコリンがまずます減少して、胃の働きが弱まっていくのです。
ここで怖ろしいのは、最初のストレスがなくなっても、胃弱の悪循環が続いてしまうこと。機能性ディスペプシアがなかなか治らないのはこれが理由です。
機能性ディスペプシアの治療に効果がある「アコチアミド」という薬も、アセチルコリンが鍵を握っています。アコチアミドは胃のアセチルコリンの働きを高めるのです。この薬によってアセチルコリンの働きが戻ると、そのあとは数か月にわたって胃弱が改善。悪循環を断ち切ることができるのです。
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