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機能性ディスペプシアがなかなか治らない理由

患者数1千万人ともいわれる胃痛や胃もたれを伴う胃弱体質。これまで効果的な治療法が見つかっていませんでした。じつは、この胃弱体質は機能性ディスペプシアという病気。その治療法を見ていきましょう。『ためしてガッテン!』の「スカッ!胃の慢性不調」で紹介されていました。



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機能性ディスペプシアがなかなか治らない理由


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機能性ディスペプシアで痛みが発生

口で咀嚼された食べ物は胃の下部に溜まって、それが徐々に消化されていくイメージですが、実際は違います。胃に入った食べ物は上部に留まっているのです。上部に溜まった食べ物を少しずつ下部へ押し出して、胃酸で徐々に消化しています。

ところが、胃弱体質の人は胃の上部に食べ物を留まらせることができていないのです。このため、胃の上部から下部へ少しずつ食べ物を押し出して胃酸をかけるという消化メカニズムが崩壊。消化がうまく進まないだけでなく、胃の痛みが発生するのでした。これこそが「機能性ディスペプシア」です。

ポイントは「アセチルコリン」という神経伝達物質。胃のふくらみや収縮の命令を伝達する役割がありますが、ストレスに弱いのが弱点です。通常はアセチルコリンが働いて、胃の上部に食べ物が留まります。しかし、ストレスを感じるとアセチルコリンが減少。うまく消化されなくなってしまうのです。


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機能性ディスペプシアは治りにくい

そして、胃がうまく消化できない不調が脳へ伝達されると、脳はストレスと判断して脳から胃にストレス信号を伝達。アセチルコリンがまずます減少して、胃の働きが弱まっていくのです。

話はこれで終わりではありません。怖ろしいのは最初のストレスがなくなったとしても、この悪循環が続いてしまうこと。これが機能性ディスペプシアがなかなか治らない病気である理由です。

機能性ディスペプシアの治療に効果があるのが、2013年6月に発売されたのが「アコチアミド」という薬。胃のアセチルコリンの働きを高めます。この薬によってアセチルコリンの働きが戻ると、数か月にわかって症状が改善することも判明。悪循環を断ち切ることができるのです。

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