良性発作性頭位めまい症をためしてガッテン解説
耳石のかけらによるめまいは、医学的には「良性発作性頭位めまい症」といいます。良性発作性頭位めまい症の見分け方は、安静にして1分以上めまいが続くかどうか。続く場合は耳石が原因ではありません。『ためしてガッテン』の「めまいは自宅で解決」で紹介されていました。
良性発作性頭位めまい症のポイント
良性発作性頭位めまい症は、医学的には以前から概念的には知られていました。英語では「BPPV」とも呼ばれ「Benign Paroxysmal Positional Vertigo」の略です。
良性発作性頭位めまい症のポイントは、めまいの時間が安静にして1分未満で収まるということ。耳石のかけらが移動する範囲は三半規管内であるため、めまいはたいていは30秒ほど、長くでも1分以内しかおきません。
また、良性発作性頭位めまい症の患者は女性に多いことも特徴。40歳くらいまでは発症に男女に差はありませんが、40代以降になると女性が男性の3倍にもなります。耳石は骨と同じカルシウムからできていいて、女性の場合は閉経後以降に骨粗しょう症がおきるため耳石がもろくなる傾向があるのです。
良性発作性頭位めまい症の原因は耳石
耳の奥には耳石というカルシウムの結晶でできた組織があります。耳石の役割は平衡感覚を感知することです。この耳石の一部がかけた「かけら」が良性発作性めまい症の原因になります。
はがれ落ちた耳石が体の回転を感じる三半規管の中に入っておこるめまいが、良性発作性頭位めまい症です。耳石のかけらが神経を刺激して、体の回転しているように感じさせることがめまいの原因になります。
耳石というのは粉の固まりのようなものです。このため、ふだんの動きのなかで耳石の一部はかけるもの。そのまま砕けて細かくなります。小さな粒になってしまえば、少々動いても体に悪影響を及ぼしません。
良性発作性頭位めまい症のメカニズム
しかし、寝相がよい人は別の話。寝ているあいだに砕けていた耳石が一箇所に集まって、再びかたまりになってしまうのです。そして、朝起きたときにその耳石のかけらが移動して、めまいが引き起こすというわけです。
「運動不足」「パソコンをよく使う」という特徴は、良性発作性頭位めまい症の患者に共通しています。これこそが耳石が再びかたまりになっていまう要因です。
さらに、良性発作性頭位めまい症の人はめまいがおきると安静にしようとしてしまいます。これもまた、耳石のかけらが砕けることを妨げることになるのです。
ためしてガッテンで紹介された治す方法
『ためしてガッテン』で紹介されていた、良性発作性頭位めまい症を自宅で治す方法が「寝返り運動」です。仰向けになって天井を見て10秒、顔を右に向けて10秒、また天井を見て10秒、左に向けて10秒、そして元に戻すという運動になります。これを朝晩2回、10セットずつ行うのです。これで80%ほどの患者は治ってしまいます。
安静にして1分以上めまいが続く場合は、良性発作性頭位めまい症ではありません。脳梗塞や前庭神経炎、メニエール病、突発性難聴などが考えられるので、病院で診察を受けるようにしましょう。
なお、めまいの種類は「グルグル型」「フワフワ型」「クラクラ型」の3つ。グルグル型は回転性のめまいと呼ばれ、おもに内耳の障害が原因です。良性発作性頭位めまい症のほか、メニエール病などがこれにあたります。
フワフワ型は動揺性のめまいと呼ばれ、こちらは脳幹という脳の根元部分の障害がおもな原因。ストレスなどでもおこりますが、脳梗塞などを発症していることもあるので注意が必要です。クラクラ型は立ち上がったときに目の前が暗くなるめまい。起立性低血圧などがよく知られています。
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