食中毒の予防と腐ったものを避けるのは無関係
腐ったものを食べると食中毒になると思っていませんか? じつは食中毒と腐ったものは無関係。腐ったものを避けても食中毒の予防にはなりません。食品を腐らせるのは腐敗菌で、食中毒菌ではないのです。『ためしてガッテン』の「食中毒 信じられない新常識」で紹介されていました。
食中毒の予防に腐敗菌が活躍
腐ったものを食べても、病気になるわけではありません。モノを腐らせるのは腐敗菌です。臭いやネバネバを発生させますが、食中毒菌のように毒を発生しません。納豆やチーズがそのよい例。腐敗菌のちょうどよい加減が発酵になります。
しかも、食べ物に腐敗菌が存在しているほうが、食中毒が増殖しないのです。腐敗菌と食中毒菌を組み合わせたものと、食中毒菌のみを入れたものをそれぞれの培養。その結果、腐敗菌と組み合わせたほうが、食中毒菌が増殖しなかったのです。
これは、腐敗菌と食中毒菌が食べ物の栄養を奪い合うため。その増殖量を調べてみると、単独で培養した場合のほうが20倍も食中毒菌が増殖したのでした。食中毒菌の増殖は、腐敗菌が存在することで抑制されます。食中毒の予防に腐敗菌が活躍することもあるのです。
とにかく腐敗菌と食中毒菌は別物。食中毒菌は、見ためや臭いではわかりません。私たちは知らず知らず、食中毒菌を食べているかもしれないのです。
食中毒の予防で注意すべきカレー
そして、食中毒の予防でもっとも注意すべきなのが作った翌日に食べるカレー。食中毒菌の中でも「ウェルシュ菌」に注意が必要になります。ウェルシュ菌は加熱されるとカプセルに入ったような状態に変身するからです。
一般的な食中毒菌であるは、黄色ブドウ球菌や大腸菌、サルモネラ菌、そしてウェルシュ菌。これがカレーに入ったとき、ウェルシュ菌以外は加熱されてすべて死滅します。しかし、ウェルシュ菌はカプセルで生き残るのです。
そして、温度が下がるとカプセルから脱出。ほかの食中毒菌がいないカで大繁殖します。しかもウェルシュ菌にとって20~55℃がもっとも繁殖する温度。ちょうど腐敗菌がいないなか、食中毒菌が増殖するのに似ています。
さらに、翌日にカレーを食べようと再加熱すると、ウェルシュ菌は再びカプセルに変身。そのまま体内に入り、温度が下がってきた腸内で再びウェルシュ菌となって、食中毒を引き起こすのです。
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