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症状改善!!糖尿病の原因タンパクを特定した

京都府立医大の研究チームが、糖尿病を発症・進行させるタンパク質を特定し、その働きを抑える物質を投与して、症状を抑制・改善させることに成功しました。現時点ではマウスを使っての研究ですが、新薬開発に役立つと期待される大きな発見です。



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世界の糖尿病人口は4億人に達しようとし、日本においても1千万人を超えると推定されています。この糖尿病の原因のひとつが、すい臓の「ベータ細胞」の働きが低下し、血糖値を下げるインスリンが出なくなることで血糖値が上昇してしまうことです。

一方、細胞内の「ミトコンドリア」は生体活動に不可欠なエネルギー産生を担い、すい臟のベータ細胞のインスリン分泌においても重要な役割を果たしています。このミトコンドリアの機能を維持するため、機能不全に陥ったミトコンドリアを分解処理する「マイトファジー」という機構が存在します。

研究チームは、糖尿病が年齢を重ねるほど発症しやすくなることから、細胞を老化させるタンパク質「p53」に着目。すると、糖尿病のベータ細胞において「p53」がマイトファジーを誘発する別のタンパク質に結合する結果、マイトファジーを阻害することがわかったのです。

そして、マウスで「p53」が働かないようにすると、インスリンを出す能力や血糖値が改善。「p53」阻害によるマイトファジー正常化は、ベータ細胞のインスリン分泌能を回復して糖尿病が改善することが確認されたのです。

この研究成果により、糖尿病においてミトコンドリア機能維持機構であるマイトファジーがうまく働かなくなるメカニズムが明らかになりました。今後は老化因子「p53」の阻害や、より直接的にマイトファジーを活性化する薬剤が開発が、糖尿病の新たな治療戦略となることが期待できます。

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