骨粗鬆症は老化の結果ではなく原因だった件
骨粗鬆症は骨がもろくなる骨折ばかりが注目されてきました。骨粗鬆症による骨折で動けなくなることで老化が加速すると考えられてきたのです。しかし実際は、骨粗鬆症が直接的に老化に関与していたのです。『ためしてガッテン』の「30代で骨粗しょう症」で紹介されていました。
骨粗鬆症とは骨細胞がスカスカ
骨粗鬆症とは骨がスカスカになる病気。じつはスカスカになっている部分というのは、骨細胞がいる大切な場所なのです。
骨の細胞といえば、古い骨を壊す破骨細胞と、新しい骨を作る骨芽細胞が有名です。どちらも骨の表面に存在し、骨の代謝に重要な役割を果たしています。そして、骨細胞はその奥に存在するものです。
この骨細胞には、全身の臓器を操る黒幕…という知られざる役割があります。解き明かしたのは、神戸大学と北海道大学の研究チームです。
骨細胞が働かないと老化現象
まず骨細胞だけが働かないようにする薬をマウスに注射します。すると3週間後、なんと歩くのもおぼつかないほどヨボヨボ状態。調べてみると、餌をちゃんと食べているのに極端な栄養失調となっていたのです。
さらに調べると、白血球の数が4分の1と免疫力も低下。リンパ腺が萎縮して、白血球が作られなくなっていたのです。働かなくしたのは骨細胞だけ。まるで老化現象のような状態が現れたのでした。
骨細胞は骨への衝撃や重力を感じ取ることで、骨の持ち主が体を動かしていることを感知します。そのとき、全身を元気にしようとするシグナルを送っているのでした。そのシグナルで、全身の臓器を活性化するタンパク質やイオンなどの物質が放出されるのです。
骨粗鬆症が直接的に老化に関与
このため、骨粗鬆症になると「免疫力の低下・赤血球の低下・動脈硬化」など、さまざまな症状が発症。さらには、インスリンの低下や認知症にまでつながります。
これまで骨粗鬆症は、骨がもろくなる骨折ばかりが注目されてきました。そして、骨折で動けなくなることによって、二次的に老化が加速すると考えられてきたのです。
しかし、実際は骨粗鬆症が直接的に、老化に関与していたということ。「老化で骨がスカスカになる」のではなく「骨がスカスカになったために老化する」のでした。
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