喉頭蓋の閉じるタイミングが誤嚥性肺炎の原因
喉頭蓋とは気管のフタ。ものを飲み込むときに自然に閉じるため、気道にものが入ることを防いでいます。誤嚥性肺炎はこの咽頭蓋の閉じるタイミングが原因。舌骨筋が衰えて食道へスムーズに送り込めないばかりか、喉頭蓋がフタをするタイミングも遅れて、誤嚥が増えてしまうからです。
喉頭蓋が閉じるタイミングが遅れる
実際に体の左側から撮影した食道と気管、喉頭蓋の動きを見てみると、ものを飲み込むタイミングで体の後方にある食道が開き、喉頭蓋が体の前方にある気管にフタ。正しく飲み込んだものを食道へ送ります。
ところが、飲み込む機能が低下している人は、ものを飲み込むときに喉頭蓋が閉じるタイミングが遅れて気管に一部、流れ込んでいる様子が確認できました。これこそが誤嚥という現象なのです。
こうなるとおきるのが、むせるという反応。喉頭蓋が閉じるタイミングが遅れたことで誤って気管に入ったものを、ただちに感知して咳で取り除こうとする生体反射です。誤嚥をおこしても、肺に筋が入らないように防いでいるのでした。
喉頭蓋に加えてむせる機能も落ちる
むせているうちは咳反射でものを取り除くことができます。しかし、齢をとってくると全身の機能が落ちてくるもの。喉頭蓋が閉じるタイミングが遅れて気管にものが入ったときに、むせるという機能自体も落ちてきます。このため、気づかないと肺炎になってしまうのです。
実際に、飲み込む機能が落ちてしまった患者の内視鏡映像を見てみると、本来は何もないはずの気管の奥に白い塊が見えています。じつはこれ、誤嚥してしまったおかゆなのです。誤嚥してしまっても感知できず、吐き出せていません。
こうなると、食べ物や唾液に交じった菌が一緒に肺へと侵入。免疫力がおきているとそこで菌が増殖して、肺炎を発症してしまうのです。最悪の場合、死に至ることもあります。
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