肺塞栓症治療の新薬イグザレルトの注意点とは
肺塞栓症は足などの静脈内に血の塊ができ、血流に乗って肺の動脈を詰まらせる病気。肺塞栓症の治療に使われるのは血液を固まりにくくする薬。2014年に認可された「リクシアナ」に加え、2015年9月には「イグザレルト」も使えるようになりました。肺塞栓症の新薬の注意点を見ていきます。
肺塞栓症のイグザレルトは点滴不要
肺塞栓症のおもな症状は息苦しさや胸の痛みで、突然死するケースもあります。長時間座り続けているとおきる、いわゆる「エコノミークラス症候群」のことです。国内の発症者は、年間約7,900人との報告があります。
肺塞栓症の新薬はどちらも錠剤で、脳卒中を予防する薬として承認されていたもの。使える病気の対象が広がりました。イグザレルトは、事前のヘパリン点滴も不要です。
作用にビタミンKが関わっていないため、従来までの薬であるワルファリンのような食事制限もありません。また、血栓をできにくくする別の薬など、併用する際に注意が必要な薬がいくつかの分野であるものの、約30分野あるワルファリンに比べると少ないことも特徴です。
肺塞栓症のイグザレルトは価格が高い
ただし、肺塞栓症の新薬はよいことばかりではありません。まず価格が高いことが挙げられます。リクシアナは最大用量で1錠約750円、イグザレルトは1錠約550円です。ちなみにワルファリンは1錠9円前後。新薬は基本的に1日1錠ですが、肺塞栓症の症状によっては長期間飲み続けるため負担は大きくなります。
また、ワルファリンは薬が効いているかどうかを判定する指標があり、血液検査で確認することが可能。月に1回程度、採血をして測定します。肺塞栓症の治療が長期化している人には、この数値を見て安心感を得ている人もいます。
しかし、肺塞栓症の新薬にはまだ、こうした指標がありません。血栓の状態などの臨床症状を注意深く観察しなければならないのです。
薬の効き方にも違いがあります。ワルファリンは効果が出始めるのに1日前後かかり、効果は2~3日ほど続くもの。「ゆっくり効き、ゆっくり効果がなくなる」のが特徴です。肺塞栓症の新薬は数時間で効果が出る一方、持続するのは半日程度。飲み忘れに注意が必要です。
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