インフルエンザワクチンは鼻スプレーで予防効果
インフルエンザワクチンを注射でなく鼻にスプレーする「経鼻インフルエンザワクチン」が実現に一歩、近づきました。これは徳島大学の木戸博特任教授らの研究チームが開発したもの。ワクチンは感染した際の重症化を防ぐものですが、この鼻ワクチンなら感染そのものを予防します。
インフルエンザワクチンに予防効果
この経鼻インフルエンザワクチンは、鼻からのどの粘膜に吹き付けることで接種するもの。注射で接種する通常のインフルエンザワクチンと違い、インフルエンザと同じように粘膜から体に入ります。
このため、経鼻インフルエンザワクチンは粘膜と血中の両方で免疫反応をおこすことが可能。すなわち、これまでのインフルエンザワクチンではできなかった、感染予防の効果も期待できるのです。
というのも、注射による通常のインフルエンザワクチンは血中に入るもの。血中のインフルエンザウイルスに免疫反応して、感染した際の重症化を防いでいます。
インフルエンザワクチンが鼻スプレー
一方の経鼻インフルエンザワクチンは血中だけでなく、インフルエンザウイルスが侵入する粘膜でも免疫反応をおこすということ。つまり、インフルエンザに感染するのを予防する効果があるのです。
今回はミニブタによる動物実験で、季節性のインフルエンザウイルスの感染の予防効果を効果。2016年度をメドに、の経鼻インフルエンザワクチンの人への臨床試験を開始する見通しです。
経鼻インフルエンザワクチンは、このほか国立感染症研究所やイギリス系製薬大手のアストラゼネカなども開発を進めています。近い将来、インフルエンザワクチンは鼻スプレーに取って代わり、感染予防の効果も発揮するようになるでしょう。
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