肺MAC症が急増中!浴室のぬめりで感染する!!
ここ10年でとくに中高年の女性患者が激増している肺の病気があります。それが、知らないうちに忍び寄る「肺MAC症」です。重症化すれば肺全体に菌が広がって死に至ることもあります。『主治医が見つかる診療所』の「死亡原因第3位 肺炎の早期発見法」で紹介されていました。

肺MAC症はMAC菌が肺を破壊する
埼玉県に住む49歳の女性が、最初に体の異変を感じたのは肺MAC症を発症する半年前。いつもの風邪に似た症状が長く続いていたといいます。原因不明のせきを気にしながら、仕事の忙しさで半年も放置していました。
そして、健康診断でようやく病院へ。せきのこともあって、追加で肺のレントゲン検査を依頼。すると1週間後、病院の医師から「肺に影が映っている」と電話がかかってきたのです。
しかし病名はわからないため、大きな病院で精密検査を受けることをすすめられました。忙しさもあって精密検査を先延ばしにしていた1週間後、朝起きるとすごいせきがこみ上げてきて、せき込むと同時に血を吐いたのです。
すぐに大学病院で診察を受けた女性は、そこで「肺MAC症」であることを告げられました。MAC菌とは「Mycobacterium Avium Complex」の略。結核菌によく似た症状をおこす細菌です。MAC菌は肺に入り込み、増殖して肺を破壊してしまいます。
肺MAC症の95%が40代以上の女性
肺MAC症の患者数は40年前には数百人でした。それがいまは毎年1万~2万人ずつ増加。現在では、約20万人におよぶほど、急増しているのです。
さらに、肺MAC症の患者のじつに95%が40代以上の中高年女性といいます。そして、もっとも恐ろしいのは完治させる特効薬がないこと。重症化すれば肺全体に菌が広がって呼吸困難をおこし、死に至ることもあるのです。
肺MAC症の予防は、なるべく菌を吸わないことしかありません。MAC菌は浴室で見つかることが多く、とくにぬめりがついたシャワーヘッドが危険です。洗うときはゴム手袋をして、水の中に入れて洗浄。空気中にMAC菌が飛び散ると、かえって吸い込むことになってしまうからです。
また、土の中にもMAC菌は多いといいます。ガーデニングなど際はマスクとゴム手袋を身に付け、終わったとは手洗いとうがいを行うようにしましょう。
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