脈が飛ぶ…でも危険タイプと安全タイプがある
心臓が一時停止する「脈が飛ぶ」という現象は、じつは9割の人におこっています。そして、同じ脈が飛ぶでも、危険なタイプと安全なタイプがあるのです。脈が飛ぶときに危険なタイプは何が違うのでしょう。『ためしてガッテン』の「物忘れの原因が心臓」で紹介されていました。
心臓は体から取り出しても脈打つ
アメリカのミネソタ大学で撮影された貴重な映像があります。取り出して4時間経過してたヒトの心臓が、力強く脈打っている映像。心臓は体から取り出しても、自力で動き続ける唯一の人間の臓器なのです。
心臓が自力で動き続けるには秘密があります。心臓の筋肉の細胞である心筋細胞は、電気刺激を加えると動き出す性質。心臓は電気の信号で、細胞一つ一つが動いているのです。
その電気を出すのが、心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)。洞結節が休むことなく電気信号を送ることで、筋肉の細胞が収縮して心臓が規則正しく動くのです。
脈が飛ぶのは洞結節の変化が原因
脈が飛ぶときは、この洞結節のある変化が原因でおきています。安全な脈とびは、洞結節の電気信号で心臓が脈打っているところに、心臓のほかの箇所から電気信号が出るときに発生します。
すると、心臓がとまどってしまうために一拍休みになるのです。しかし、洞結節が正常なら心拍はすぐ元に戻ります。行進中にちょっとつまずくようなイメージでしょうか。
一方の危険な脈とびは、洞結節が弱っていて電気信号が出ていないときに発生。電気信号がこないので、心臓は動きません。行進中に合図がなくなって停止したイメージです。
脈が飛ぶときに電気信号が出ない
脈が飛ぶときの心電図を見てみましょう。じつは心電図とは、洞結節から出る電気を計測したものです。
安全に脈が飛ぶときは、心電図の振れが大きくなっています。これは電気が出すぎて、脈が飛んでいるということ。一方の危険な脈とびは、電気信号が出ていませんでした。
安全な脈とびと危険な脈とびでは、脈が飛ぶ時間も違っています。安全な脈とびはせいぜい2秒ほど。しかし、危険な脈とびは最長で6秒も間隔が脈が飛んでいるのでした。
脈が飛ぶ時間が危険な脈とびの基準
脈が飛ぶ時間が「3秒以上」かどうかが危険な脈とびの基準です。安全な脈とびであれば2秒以内でおさまります。
脈が飛ぶかどうかの測り方は、利き腕の人差し指の延長上の手首を、人差し指から薬指までの3本の指でおさえること。指先を立てて、強めにおさえると脈が飛ぶかを確認しやすいでしょう。
あまり神経質になりすぎることはありませんが、脈が飛ぶ異変に気づいたら循環器内科で診察を受けるようにしましょう。危険な脈とびである徐脈性不整脈は、脈が飛ぶ時間と症状で発見できます。
■『ためしてガッテン』
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