腕や肩のしびれには心臓の病気の可能性がある
腕や足に「しびれ」があっても、半数以上の人が病院には行っていないとか。しかし、放っておくと大変なことになる「危険なしびれ」もあるのです。実例とともに「危険なしびれ」を見分けるヒントを探りましょう。『主治医が見つかる診療所』で取り上げられていました。
肩から腕のしびれの原因は狭心症
青森県に住む73歳の男性が、初めて「しびれ」を感じたのは1年前の6月です。奥さんと日課の散歩をしていたときのことでした。ふだんから健康を意識して、散歩のときは少し早歩きするようにしていたこの男性。しびれは、その早歩きの最中におきました。右肩から右腕にかけて、突然のしびれを感じたのです。
ただ、すぐにベンチに座って10分ほど休むと、そのしびれは収まったとか。男性はとくに気にすることなくしびれを放置しまいました。その後も運動するたびにしびれが発生。さらには、右腕のしびれに加えて右肩の張りを感じるように…。しかし、単なる肩こりだと思って湿布を貼って対処していました。
発症から4か月ほどたったある日、始めは右側の腕や肩のしびれだったものが、どういうわけか左腕にも現れはじめました。この異変に驚いた男性は、ようやくかかりつけ医に相談しました。
すると、なぜか心臓の精密検査を勧められたのです。じつはこのとき、この男性は恐ろしい病気をすでに発症していました。「狭心症」です。
しびれが狭心症の関連痛で現れる
当時の男性の心臓血管の画像を見てみると、いくつかの箇所の血管が細くなっていました。もしもこのまま進行して冠動脈が完全に詰まると、心臓に血液を送ることができなくなってしまいます。これがいわゆる「心筋梗塞」。最悪の場合は心臓が停止し、突然死を招くこともあります。
この男性は、心臓の血流を確保するために血管のバイパス手術を受けて無事に生還。最悪の事態はまぬがれて、現在は回復に向かっています。
「狭心症」を発症しても、胸が痛くならずに別の部分にしびれや痛みが現れることも…。これを「関連痛」といいます。たとえ胸に痛みがないといっても、心臓の病気でない…とは限らないのです。
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