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治らない頻尿・尿漏れは「隠れ脳梗塞」が原因だった

治療しても治らない頻尿・尿漏れは「隠れ脳梗塞」が原因かもしれません。実際に隠れ脳梗塞によって、深刻な尿トラブルに陥った症例を見てみましょう。処方された薬でも治らなかった頻尿・尿漏れは、原因が隠れ脳梗塞と判明したことで投薬により大幅に改善されたのです。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。



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治らない頻尿・尿漏れは「隠れ脳梗塞」が原因だった


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我慢できないほど強い尿意に襲われる

埼玉県在住の61歳の男性は、半年ほど前から頻尿に悩んでいました。気がついたときには1時間半に1回という短いペースでトイレに行くようになっていたといいます。

そんな男性に頻尿とはちょっと違う異変が生じたのはその2ヵ月後。奥さんと連れ立って買い物をしていたときでした。何の前触れもなく、不意に尿意が襲ってきたのです。

しかもその尿意たるや、少しでも力を抜くと漏れてしまいそうなほど激しいもの。急いでトイレを探し出して大惨事は避けられたものの、得体の知れない激しい尿意に漠然とした不安を抱いたのでした。

この日を境に我慢できないほどの強い尿意は月に1~2回、さらに3回と、次第に頻度を増しながら襲ってくるようになったのです。


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医師の診断は加齢による頻尿と尿漏れ

そして、激しい尿意を感じるようになって1年後、1人で買い物中に襲われた急な尿意についに耐え切れず、わずかながら尿が漏れて下着を濡らしてしまいました。

そしてそれ以来、少量の尿漏れが頻繁におこるようになります。男性は病院へ行きますが、前立腺や膀胱など尿トラブルを引き起こす場所に異変は見つかりません。医師の診断は「加齢による頻尿と尿漏れ」でした。

加齢とともに膀胱周辺の血流が低下して、膀胱の神経が過敏に反応。それによって強い尿意に襲われるようになったと考えたのです。とりあえずは膀胱の神経を穏やかにする薬を処方されました。

しかし、いくら処方された薬を試してみても頻尿も尿漏れもまったく改善しません。それどころか、激しい尿意に襲われる間隔がますます短くなっていったのです。


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処方された薬も効かず大量の尿漏れ

たまらずそのことを医師に訴えて別の種類の薬を出してもらっても、これといった効果はなし。ひとたび強い尿意が襲ってくると、わずか数メートル先のトイレまで間に合わず、漏らしてしまう事態が繰り返されたのです。

そして、あるとき帰宅途中のバスで大量の尿漏れをする事態にまで発展。奥さんと相談して、もう一度だけ病院で診てもらうことになりました。

薬を飲んでも改善されない頻尿と尿漏れ…ならば泌尿器科の目の届かないほかのところにあると考えたい医師は、さまざまな診療科にわたって診察する大学病院を紹介。一縷の望みを胸に大学病院を訪れました。


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尿トラブルは隠れ脳梗塞の症状の1つ

詳しい問診ののち男性は脳のMRI検査を受診。検査の結果、男性の尿トラブルの原因が「隠れ脳梗塞」にあることがわかったのです。

実際に尿トラブルに悩む患者のMRI画像を見てみると、脳の前面を占めている前頭葉の部分がうっすらと白くなっています。これは小さな脳梗塞。俗にいう「隠れ脳梗塞の跡」です。

隠れ脳梗塞とは、加齢や食生活の乱れによって脳の細い血管が詰まってしまう状態のこと。いままでは症状が出ないと考えられていたため「無症候性脳梗塞」とも呼ばれていました。ところが最近の研究で、この隠れ脳梗塞の症状として尿トラブルがあることがわかってきたのです。

隠れ脳梗塞が尿トラブルの原因だったことが判明した男性は、投薬治療で頻尿や尿漏れは大幅に改善。同時に生活習慣も見直すことで、大きな脳梗塞をおこすことなく元気に過ごしています。

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