メラノーマ治療薬がほかのがんにも効果的な理由
メラノーマの画期的な薬として登場したのが、免疫治療薬のオプジーボです。私たちの免疫細胞には正常細胞まで過剰に攻撃しないようにブレーキが付いています。ところがメラノーマのがん細胞は、このブレーキを押して攻撃を止めさせて増殖します。このブレーキを押させないようにするのがオプジーボです。
メラノーマの免疫治療薬は新タイプ
いわゆる抗がん剤は、がん細胞そのものを直接攻撃する仕組みです。しかし、新たに登場したメラノーマの免疫治療薬は免疫力を高める新タイプ。まずは免疫治療薬の仕組みについて見ていきましょう。
人間の体は、がんができると免疫細胞であるT細胞が出動します。そして、表面にあるPD-1というツノで、がん細胞を攻撃して死滅させるのです。
ところが、メラノーマのがん細胞はT細胞からの攻撃を避けるために、PD-L1と呼ばれるタンパク質を生成。PD-L1はPD-1と結びついてT細胞のツノを無力化します。こうして、がん細胞が攻撃を受けないようにするというわけ。これによってメラノーマのがん細胞はT細胞の攻撃を受けずに増殖するわけです。
メラノーマの治療薬が肺がんに有効
ここでメラノーマの免疫治療薬は、PD-1とPD-L1の結合に割って入り込むため、無力化されたT細胞のツノが復活。免疫力が高まって、T細胞はがん細胞への攻撃を再開させるのです。これがメラノーマの免疫治療薬の仕組みになります。
このメラノーマの免疫治療薬のアプローチは、ほかのがん細胞にも有効。非小細胞肺がん患者にオプジーボを使用したところ、2割の患者に腫瘍縮小効果が見られたといいます。このため、一部の肺がん向けに保険適用が認められたというわけです。
とはいえ、免疫治療薬が万能というわけではありません。非小細胞がんの輪状実験では、従来の抗がん剤の方が効きやすい患者もいました。また、免疫治療薬を組み合わせる治療も模索されています。
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