線維筋痛症の症状をセルフチェックする方法
近年、線維筋痛症をめぐる状況が大きく変わってきました。全身の18あるポイントを押すだけで、線維筋痛症かどうかを診断できるのです。線維筋痛症をセルフチェックする方法を紹介します。12月3日放送『ためしてガッテン』の「長引く痛み治療最前線」で紹介されていました。
線維筋痛症の原因は脳や脊髄の暴走
線維筋痛症かどうかを診断できるポイントは、人間の急所のこと。急所とは神経の束が集まっている場所になります。この神経の束は急所を外れると、筋肉の下などにもぐってしまいます。逆にいうと、急所は神経の集まりにじかに触れることができるポイントということです。
じつは、この神経の束がつながっている先が脊髄。脊髄はいわば、痛みの感じ方メーターを司っています。強く痛みを感じたときは強く感じさせ、ずーっと痛いと耐えられないので弱く感じさせたりるすのです。
人間というのは、感じた痛みが自然に治まっていると考えがちですが、じつは違います。痛みの元が残っていても、その感じ方を弱くしているのです。
そして、線維筋痛症になっている脊髄はこの痛みの感じ方メーターに異常が発生。痛みの感じ方を最大にしてしまっています。このように脳や脊髄が暴走して、痛みが治まらない状態が続くのが線維筋痛症なのです。
線維筋痛症の症状セルフチェック
とはいえ、脊髄は体の奥にあるため診察することはできません。そこで登場するのが急所。脊髄に直接つながっている場所です。急所を軽く押すことで、脊髄に不調がおきて線維筋痛症になっていると考えられます。
【線維筋痛症セルフチェック】
- のど仏の両脇のくぼんだ部分
- 鎖骨の一番内側から指2本分下
- ひじの骨の出っ張りから2cm下
- ひざ関節の骨から1cm上
- 頭蓋骨と首の境目やや下
- 肩先と首のちょうど中間点
- 肩甲骨の角の内側
- お尻を4分割した外側の上
- 大腿骨の付け根の1cm後ろ
これらの急所を親指のつめが半分ほど白くなるくらいの強さで押してください。健康な人でも数か所は痛い場所があるとか。押して11か所以上の場所で痛みがある人は、線維筋痛症の疑いがあります。
線維筋痛症は全身の痛みに加えて、さまざまな症状が出るのも特徴。ドライアイやドライマウス、便秘や下痢など。とくに疲労は患者の9割に出るといいます。
線維筋痛症の根本原因はストレス
そもそも脊髄が悪くなってしまう原因はストレス。人間のストレスには心理的ストレスと、痛みなどの身体的ストレスがあります。軽いストレスや痛みが断続的に持続してあると、脊髄と脳の働きが乱れてしまうのです。
線維筋痛症は、痛みを抑えることで症状がすべてよくなるもの。そして、線維筋痛症には新薬が登場しています。この薬は脳と脊髄の興奮を抑えてくれるもの、初めて保険適用されました。
また、この薬の効き目をアップさせるのが痛みの数値化です。痛みの感じ方を数字で表せる装置を使います。たとえば肩に痛みがある場合、腕に電極を貼って電流の痛みをおこします。
線維筋痛症の治療は痛みを数値化
徐々に電流を強めていって、電流の痛みが肩の痛みより強くなった瞬間にボタンを押すのです。これで痛みを数値化します。痛みが数値化されることで、患者の痛みのレベルを把握できるだけでなく、家族など周囲の理解も深まります。
線維筋痛症の症状である痛みの辛さは、周囲になかなかわかってもらえないことが多いのもの。周囲の理解によって、患者本人のストレスも軽減して症状がさらに改善。薬の効き目がアップするわけです。
線維筋痛症は治療で治る病気です。おかしいなという症状を感じたら、リウマチ科やペインクリニック科、整形外科など、線維筋痛症を扱っている病院へ行きましょう。
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