高藤直寿は技を見切る感覚だけは絶対負けない
リオデジャネイロ五輪の柔道60㎏代表である高藤直寿選手は2015年、誰もやったことがない技を決めました。もともとさまざまな変則技で知られる高藤選手。動き始めて技が決まるまでの時間は1.8秒。そこに隠された秘密に迫ります。『ミラクルボディ』で紹介されていました。
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高藤直寿が袖釣り込み腰の手を離した
高藤直寿選手が最初に仕掛けたのは袖釣り込み腰。しかし、すぐにこの技をあきらめて、左手を離します。回り込んで相手の背中を抱え込むと、そのまま体重をのせて浴びせ倒したのです。
実験で同じ状況を再現してもらいました。動き始めて技が決まるまでは1.8秒。その間、高藤選手はどんな判断をしていたのか、分析した映像を見ながら本人の話を聞いてみましょう。
袖釣り込み腰を仕掛けると同時に、相手は防御しようと後ろに下がっていきます。その瞬間、高藤選手はとっさにこの技をあきらめて、相手をつかんでいる左手を離しました。
高藤直寿は一歩目ついたときにわかる
高藤直寿選手は「一歩目を踏み込むところで、自分の思い描いていた動きを相手がしないのがわかっていて、袖釣り込み腰じゃ行かないだろうなというのをわかりながら入っている」と解説します。
「足一歩目ついたときに、これはかからないというが自分の中でわかる」のだとか。「投げるときの感覚をわかっているからこそ、投げられないときはいつもと違う感覚なのでわかる」というのです。
高藤選手は「どの技にせよ、動きのモーションがある。そのモーションの一番最初の動きで見切る」と話します。「自分はそんなに力も強くないですが、感覚だけでは負けないなという感じ」というのです。
「先に動ける感覚、相手の動きを察する感覚だけは、ほかの選手には絶対負けないっていう自信がある」といいます。
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