思いやりホルモン「オキシトシン」の分泌効果
オキシトシンは他人を思いやったときに出る「思いやりホルモン」と呼ばれるもの。そして、このオキシトシンの分泌にストレスを解消する効果があるのです。さっそくオキシトシンの分泌効果を見ていきましょう。『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。
オキシトシンでパニック障害を克服
患者のストレスを解消する名医が長野県茅野市にある諏訪中央病院の鎌田實医師です。オキシトシンに鎌田医師が注目したのには、あるきっかけがありました。
じつは、鎌田医師は48歳のときにパニック障害になっています。まさか自分がパニック障害になるわけないと思い込んでいたといいます。パニック障害とは突然、動機や呼吸困難などの症状や強い不安感に襲われる心身の病気です。
40歳という年齢でこの病院の院長に就任した鎌田医師は、重責を担うプレッシャーなど過度のストレスにより、パニック障害を発症していたのです。
しかし、オキシトシンを出すことを心がけて病気を克服。それ以来、患者の治療にも応用しています。鎌田医師自身もオキシトシンを増やすことを意識してから、10年以上も風邪をひいていません。
オキシトシンはふれあいで分泌される
このオキシトシンの分泌方法は「ふれあい」と「相手を思いやる行動」の2つです。まずハグをしたり握手をしたりなど肌と肌がふれあったときにオキシトシンが出ることが証明されています。触ったほうも触られたほうも同じように出るのです。
そもそもオキシトシンは産婦人科の領域の話。お母さんが赤ちゃんにおっぱいを上げているときに、オキシトシンが出ていることがわかっています。
これまでの研究で、オキシトシンには陣痛を促進したり、出産後には母乳の合成や分泌を促す働きがあることがわかっているのです。そして、授乳時のスキンシップによって、さらにオキシトシンが増えるといいます。
オキシトシンは母性と密接に関係しています。子どもを看病する母親が感染症にかかりにくいのは、オキシトシンが多く分泌されているためと考えられているのです。
相手を思いやる行動もオキシトシンを分泌
そして、ふれあいの相手は人間でなくてもOK。人と人の肌ではなくて動物でもよいのです。ペットなどの動物とのふれあいでもオキシトシンは分泌されます。実際、諏訪中央病院でも患者のケアのためにアニマルセラピーを導入。末期がんや脳卒中の患者に対して月1回、ペットとのふれあいを行っています。
そして、オキシトシンを出すもう1つの方法が、相手の幸せを考えて行動することです。自分の幸せのためじゃなく、相手の幸せを考えた行動をするとオキシトシンが出てくることがわかってきました。席を譲ったり荷物を運んだり…相手を思いやる行動をすることがポイントです。
仕事から帰ってきての家族で団らんもオキシトシン分泌。フェイストゥーフェイスでおしゃべりするだけでもじつは出るもの。誰かのために料理を作ってあげることも効果的です。作る側も食べる側もみんなハッピーになれます。
■8月11日放送『主治医が見つかる診療所』
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