アクリルアミドはできる限り低減すべきとの評価
国際機関が発がん性がある可能性を指摘しているアクリルアミドは、野菜などの食材を高温で熱した時に生じる化学物質。アクリルアミドの日本人への健康影響を検討していた内閣府食品安全委員会の作業部会は「できる限り低減に努める必要がある」とする評価書案を委員会に報告しました。
アクリルアミドの健康影響は不明確
アクリルアミドは、炭水化物を多く含む食材を「揚げる・焼く・あぶる」などして120度以上の高温で加熱したときに生じる化学物質です。
このアクリルアミドは、じゃがいもを原材料とする料理やスナック菓子、穀物を原材料とするビスケットなどさまざまな食品に含まれているもの。家庭での調理でも生じます。
評価書案ではまず、アクリルアミドの摂取量とがん発生との関連には一貫した傾向は見られず「健康影響は明確ではない」と指摘しています。
アクリルアミドの推定平均摂取量
日本人のアクリルアミドの推定平均摂取量は、体重1kgあたり1日0.24マイクログラム。動物実験でがん発生の増加が確認されている量の、およそ1,000分の1でした。
しかし、海外のリスク評価機関の中には、アクリルアミドが1万分の1より多い場合は低減対策が必要だとするところもあります。このため「懸念がないとはいえない」と結論づけました。
とはいえ、アクリルアミドを低減するからとって、野菜を避ければよいというわけではありません。野菜には栄養があり、食べることで健康によい影響があります。アクリルアミドの低減には、過度の加熱を避けて適切に調理することがポイント。特定の食品に偏らない食生活も大切でしょう。
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