大人の中耳炎は滲出性よりも好酸球性が危ない
大人がかかると恐ろしい中耳炎があります。それが好酸球性中耳炎です。放置しておくと聴力がゼロになってしまう可能性があります。そのため、大人の中耳炎は早期の発見が重要。好酸球性中耳炎の症状を見ながら、その見分け方を見ていきます。『ためしてガッテン』で紹介されていました。
大人の中耳炎の治療が遅れて聴力半分
大人の中耳炎の治療が遅れたために聴力を半分以上、失ってしまった男性がいます。それはいまから30年前のこと、耳が聞こえにくくなったので病院へ行ったことから始まります。
そのときの診断は滲出性の中耳炎。治療で聞こえにくさはすぐに回復しました。しかし2~3日すると、再び聞こえが悪くなってしまうのです。そのたびに病院に行っても治療は同じ。そして、次第に症状は悪化していったのです。
当時、中耳炎は原因がハッキリしており、ほとんど治すことができる病気とされていました。ところが90年代になると、どうやってもらない大人の中耳炎患者が続出していました。
大人の中耳炎は好酸球が原因だった
じつは大人の中耳炎は好酸球が原因でした。私たちの血液の中には、好酸球という白血球の仲間がいます。肺の中にウイルスが入ってくると、この好酸球がやっつけてくれるのです。
喘息患者の場合、この好酸球がものすごく増えてしまいます。増えてしまった好酸球は暴走して、敵もいないのにあちこちを攻撃。炎症をおこしてしまいます。喘息は、この症状が気管支でおこっている状態です。
そして、この好酸球の暴走が耳の中でも同じように発生するのが、大人の中耳炎ともいえる好酸球性中耳炎。敵もいないのに攻撃をして、中耳炎を引き起こしているのです。
大人の喘息に加えて中耳炎の症状
しかも、好酸球性中耳炎を放置すると耳の中にポリープができて変形。こうなると、外から入ってくる音の振動がうまく伝わらなかったり、耳の神経自体が破壊されてしまい、最悪の場合は聴力がゼロになってしまうのです。
好酸球性中耳炎は最近とくに増加。その背景には、喘息患者が増えていることが関係しています。以前は喘息の症状には、全身的なステロイドが治療に使われていました。ところが最近は、吸入型の気管支だけに効くステロイドを使用する傾向にあります。このため、好酸球性中耳炎が増えているのです。
好酸球性中耳炎の治療は、なるべく進行しないように止めるしかありません。そして、早期の治療開始で聴力低下を防ぐことができます。大人になって発症した喘息に加えて「耳が遠くなった」「耳垂れが出てくる」など中耳炎の症状が現れたら、好酸球性中耳炎の可能性が大。すぐに病院で診察を受けましょう。
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