尿漏れの原因は中高年になると増える隠れ脳梗塞

尿漏れなどの尿トラブルは、これまで加齢によるものといわれてきました。しかし最近になって、それが中高年になると増える隠れ脳梗塞によって引き起こされることがわかってきたのです。『みんなの家庭の医学』の「尿＆便トラブル解消SP」で紹介されていました。

尿漏れの原因が隠れ脳梗塞にある

隠れ脳梗塞は、加齢や食生活の乱れによって脳の細い血管が詰まってしまう状態のこと。直接、命に関わる病ではありません。60代以上の4人に1人が隠れ脳梗塞になっているといわれています。

隠れ脳梗塞はいままでは症状が出ないと考えられていたため、無症候性脳梗塞とも呼ばれていました。ところが最近の研究で、尿漏れの原因が隠れ脳梗塞にあることがわかってきたのです。

なぜ隠れ脳梗塞が尿漏れの原因となるのでしょうか？　健康な人は膀胱に尿が溜まると、満タンである信号が脳へと伝えられます。その結果、脳が感じるのが尿意です。

しかし、近くにトイレがないなど排尿できるタイミングではないと脳が判断すると、脳は排尿にブレーキをかける信号を送信。尿意を感じても、しばらく尿意を我慢して押しとどめる命令です。この信号のおかげで私たちはおしっこを我慢できます。

そして、このブレーキ信号を出しているのが脳の前頭葉です。ところが、この前頭葉に小さな脳梗塞が生じると、排尿のブレーキ信号が徐々に弱まっていまします。これが尿漏れの原因となるのです。

隠れ脳梗塞は症状がないと思われていましたが、最近では夜間頻尿になる人が7割、尿漏れをおこす人が4割もいることがわかってきました。尿漏れの典型的な原因に隠れ脳梗塞があるのでした。