耳くそはとっちゃダメ!耳垢栓塞で難聴になる
じつは、耳くそをとる耳かきは危険な行為です。耳鼻科医のほとんどは怖くてやっていません。耳くそをとると耳垢栓塞という病気になって、難聴になってしまうかも知れません。『駆け込みドクター!』の「お医者さんに聞きたい17の事」で紹介されていました。
耳くそをとるのが危険な理由
耳くそをとるのは危険なのは、耳掃除をした際の小さなカスが外に取り出されずに奥に入ってしまうことが理由。この耳あかが溜まって耳穴をふさいでしまうのです。
この状態を「耳垢栓塞」といいます。読んで字のごとく、耳あかで耳の穴がふさがってしまう病気。ふさがると、難聴やかゆみ、めまいなどをひきおこしてしまうのです。
じつは、耳あかには立派な役目があります。それは耳の中の「殺菌・保護」です。耳あかには「静菌作用」といって、菌の繁殖を防ぐ作用があります。
耳鼻科医は耳くそをとらない
耳くそをとるのはせいぜい月に1回が目安。耳あか自体は自然に出てくるものなので、無理に耳かきをするとかえって奥へ押し込むことになってしまうのです。じつは耳鼻科医は、耳くそをとることはほとんどしていません。
なお「耳かきをするとせきが出る」という人がいますが、これは鼓膜の手前の外耳道深部の後ろに広がる脳神経のひとつ「迷走神経」を刺激してしまうため。脳にせきをするという誤った信号が届いているのです。
このタイプの人は、耳かきであまり奥の耳くそを掃除するのは避けたほうがよいでしょう。耳くそをとっているときに突然せき込んで、耳を傷つけたという症例もあるのです。
耳くその正体は古い皮膚だった
耳くその正体は耳の中の古い皮膚。耳の中は、新しい皮膚が作られると古い皮膚を押し出す仕組みになっています。その途中ではがれた古い皮膚が耳くそになるのです。
耳の皮膚が生まれる場所は鼓膜のど真ん中。実際、鼓膜の真ん中に印をつけておくと、それが全方向に引っ張られるようにして皮膚になっていきます。そして、鼓膜から移動してきた皮膚は、耳の入り口で剥がれ落ちるのです。
このため、耳くそが溜まるのは耳の入口から2㎝くらいまで。触ると敏感に感じるところの手前までが掃除してよい範囲です。もちろん、奥に入れる耳くそ掃除は耳垢栓塞になるのでおすすめできません。
耳くそがネバネバした人は要注意
ただし、カサカサしていれば耳くそは自然に出てきますが、ネバネバしていると外に出にくいケースがあります。このため、ネバネバした耳くそが出る人は少し注意が必要です。
とはいえ、耳くそを自分でとるのはNG。耳くそがネバネバしている場合、耳掃除で詰まってしまう可能性が大。自分で耳くそは取らず、定期的に耳鼻科で耳くそを取ってもらうとよいでしょう。
なお、子どもに耳くそ掃除をせがまれるときもあります。そんなとき、耳くそはとらないと拒絶するわけには行きません。その場合は、耳の入り口1センチどを綿棒でふき取るとよいでしょう。
耳くそを掃除するなら耳かきか綿棒
耳くそを掃除する道具としては、耳かきでも綿棒でもどちらでもOK。かさかさタイプなら耳かき、ネバネバタイプなら綿棒というのが一般的。ただし、耳かきタイプは皮膚を傷つける危険があるので気をつけましょう。
ただし、綿棒は耳くそを押し込みやすいため注意が必要です。じつは耳鼻科では「難聴気味」といって来院する患者の耳から、ピーナッツ大の耳くそが出てくることもよくあるといいます。
綿棒による耳かきは耳くそを押し込んでしまって、まるで耳栓のようになってしまうことは意外に多いもの。綿棒で耳かきをするときは、皮膚のまわりをなでるように掃除するとよいでしょう。
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