尿酸は基準値以下であれば高い抗酸化作用を発揮
痛風を発症している患者は96万人いますが、尿酸値が高くても激痛に襲われていない痛風一歩手前という人たちが1100万人もいると推定されています。そもそも、尿酸はなぜ人間の体に溜まっていくのでしょうか? じつは尿酸は基準値内であれば高い抗酸化作用を発揮するありがたい存在なのです。
鳩の糞が白いのは尿酸の結晶の色
痛風の痛みの元は尿酸の結晶。足の先などの関節に張り付いた尿酸の結晶が剥がれ落ちて、炎症をおこすことで激痛は発症します。尿酸の結晶は、尿酸が冷えて固まるときにできるものです。
じつは私たちは尿酸の結晶をよく目にしています。それが鳩の糞です。尿酸の結晶は白い粉末状のもの。鳩の糞が白いのは、それが尿酸の結晶の色だからです。尿酸はすなわち老廃物。人間も尿と一緒に排泄しています。
尿酸は肝臓で大量に作られるもの。血管を通って全身で悪さをすると思いきや、行き着く先は腎臓。尿酸は、腎臓でろ過されておしっこへ分別されます。ところが、捨てられるはずの尿酸を、血管に戻す役割を果たす細胞がいるのです。
尿酸は基準値以下ならよい作用
それが尿酸トランスポーター。捨てられるはずの尿酸の9割を回収します。腎臓でろ過されて廃棄されるはずの尿酸が、その腎臓によって回収されているのでした。こうして血液に取り込まれ、結果として尿酸値が上がることになります。
なぜ、このような現象がおきるかというと、尿酸に抗酸化作用があるからです。私たちの体には活性酵素を消去する物質がいっぱい存在していて、なかでも尿酸が一番濃度が高く活性酵素を消去する役割をはたしているのです。
ただし、尿酸が抗酸化作用の働きをしてくれるよい作用を及ぼすのは基準値以下の場合のみ。基準値を超えてしまうと血管が動脈硬化に近い状態になる悪い作用を及ぼすのです。尿酸値が基準値を超えなければ、尿酸はありがたい存在なのでした。
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