基底細胞癌は日本人に一番多いタイプの皮膚がん
日本人に多いタイプの皮膚がんは3位がメラノーマで2位が有棘細胞癌、そして1位が基底細胞癌です。そんな日本人がかかる皮膚がんの中でもっとも多いタイプの基底細胞癌とはどんな病気なのでしょう? じつは基底細胞癌の99%は転移しませんが、放っておくと骨を壊す可能性があるのです。
基底細胞癌はほくろと勘違いされる
人間の表皮の厚さは0.1~0.3ミリで、外側から、角質層・顆粒艘・有棘層・基底層の4層で構成されています。この一番下の基底層にある基底細胞が悪性化してできるのが基底細胞癌です。
発生したがん細胞は表皮の中で増殖を続け、やがてシミやほくろのように皮膚の表面に表れます。基底細胞癌は85%以上が首から上に発症。さらに、75%は顔のいわゆるTゾーンに発症するのです。
基底細胞癌の原因は長時間、紫外線を浴びることといわれています。このため、結果的に紫外線を浴びる期間が長い高齢者に多く発症。シミやほくろと勘違いされることが多い皮膚がんです。
基底細胞癌の検査はダーモスコピー
基底細胞癌は99%以上は転移しないという特徴があります。ただし、放っておくとがん細胞が表皮から真皮、皮下脂肪、筋肉へと根を張るように進行。最終的には、骨を壊してしまう可能性があるのです。
基底細胞癌の検査は、ダーモスコピーという医療器具で行われます。皮膚の表面を10~30倍に拡大して、皮膚の内部の色素分布を検査。ほくろであれば皮膚表面の凹凸の溝部分が黒く見えます。
基底細胞癌の治療は外科的な切除です。がんの部分をメスで切り取るという簡単なもの。まだ小さいうちであれば、1時間もかからずに終わります。ただし、進行してがん細胞が皮膚の奥に入り込んでしまうと、放射線治療を行うこともあるのです。
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