左肩の痛みは心臓でおきている狭心症が原因かも
左肩の痛みは肩こりだけが原因ではありません。じつは心臓でおきている狭心症が原因の場合があるのです。そこで、左肩の痛みが心臓でおきている狭心症が原因だった症例を見ていきます。左肩の痛みは最終的に歯の痛みに発展したのです。『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。
左肩の肩こりが激しい痛みに変わる
静岡県在住の54歳の男性が最初の異変を肩に感じたのは、いまから20年ほど前の30代半ばのころ。当時は営業マンとして、忙しい日々を送っていました。左肩のとくに肩甲骨のまわりにコリやハリを感じたといいます。
ところが、月1回程度の症状だったため、つい放置してしまいました。しかし、その4年後、左肩の肩こりにある変化がおきたのです。それまでの単なるコリが激しい痛みに変わりました。
しかもその範囲も、左側の肩甲骨周辺だけでなく、左側の上半身全体に広がったといいます。月に1回程度だった頻度も、多い時には週1回程度まで増加。しかも異変は肩こりだけにとどまりませんでした。
左肩の痛みを感じてから10年で発症
左肩だけでなく左側の歯からあごにかけても痛くなるように変化。さらにはひどい頭痛にも襲われるようになったのです。そして、最初に左肩の痛みを感じてから10年、ある決定的な出来事が男性を襲います。
ある朝、、男性が起きると上半身の左側全体を、それまで経験したことがないほどの耐えがたい激痛が襲ったのです。呼吸もまともにできず、自力で立ち上がることもできなかった男性。救急車で病院へ向かいました。
病院で医師に診断された結果は狭心症。狭心症とは、心臓に血液を送る血管がなんらかの原因によって狭くなり、胸の痛みや圧迫感が出る病気です。進行すると最悪の場合、血管が詰まって心筋梗塞は発生します。幸いすぐに薬による治療を受けて男性は九死に一生をえました。
左肩の痛みは心疾患の可能性あり
狭心症などの心疾患で通常、痛みが出るのは胸のあたりです。ただし、胸の痛みを感じる神経と肩や腕の痛みを感じる神経は非常に近いところを走行。このため、信号が混信してしまい、脳が左肩の痛みと錯覚してしまうのです。
心臓も含めて内臓は感覚が別で、とてもアバウトにできています。腸にガスが溜まって痛いときも場所は特定できないでしょう。人間の感覚で本当に鋭いのは舌の先と指の先だけ。ほかの部分は、意外にも適当なセンサーしかないのです。
だから、狭心症などの心疾患で現れる痛みは左肩だけでなく、首やあごなどの場合があります。原因不明の左肩の痛みは、心疾患の可能性があることを覚えておいたほうがよいでしょう。
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