株で損失が出たら確定申告で税金を取り戻す
2013年は日経平均株価が年間で57%も上昇する一方、東証1部上場銘柄のうち約100社は下落しました。売買のタイミングを誤って、損失が出たケースもあるでしょう。こうした場合は「損失」の「確定申告」を忘れないようにしましょう。源泉徴収ありの特定口座で取引している人も、確定申告は可能です。
確定申告の利点は、まず損失を利益と通算することで、課税される金額を減らせること。翌年から3年間繰り越して節税に使えるのもポイントです。
売却益だけでなく配当や投信の分配金とも通算できます。繰り越すには毎年申告が必要ですが、手続きするメリットは大きいもの。今年の取引から、株と投信の運用益にかかる税率が20%に引き上げられたからです。
2016年からは債券と株式の課税が一体化され、株の損失を債券の利子収入と通算できるようにもなります。2013年分の損失を3年繰り越せば、2016年分の債券の利子収入があれば、通算して課税金額を抑えられます。
損失の繰り越しはこれから発生するものに限りません。前年から3年分さかのぼって、期限後申告が可能。つまり、2010~2012年の投資で損失が出ていれば、さかのぼって申告することで、2013年に得た運用益との通算に活用できます。
ただし、損失があった年に医療費控除などで確定申告していた場合は、期限後申告ができません。たとえば2012年に100万円の運用損が出たものの放置していた人が、2012年分の所得について住宅ローン減税や医療費控除を活用するために確定申告していたらNGです。
さらに2012年分以前の損失を期限後申告する場合、今回の確定申告用の書類を使わないことも大切。2013年分から復興特別所得税がかかり、2012年分より以前の利益と税率が違うためです。申告する年の書類は国税庁のインターネットサイトで入手できます。