ナイス!シニア
40代からの医療情報…現役看護師が監修

年収1千万円以内は「総合課税」で配当控除

2014年の取引から投資の税率が上がったことを受け、次回の「確定申告」から、株の配当にかかる税金を給与などと合わせて「総合課税」にすると得になる人が増えることは見逃せません。



スポンサーリンク
moey (480x360)

株の配当は2014年から、一般的に売却益と合わせて20%の税率で源泉徴収課税されます。申告しても「分離課税」なら20%です。ただし総合課税を選んで申告すれば、給与などほかの所得と同じ税率になります。配当の最大10%にあたる所得税と2.8%にあたる住民税が税額控除される「配当控除」も使えます。

税率10%だったときは、わざわざ総合課税を選んで確定申告する人は多くなく、源泉徴収で課税手続きが終わるのが一般的でした。しかし、2014年以降の配当はほとんどのサラリーマンが総合課税で申告すれば有利になるという試算もあります。

配当控除を活用する場合、課税される所得全体の金額が695万円以下なら、総合課税を選ぶほうが実際にかかる税率が低くなるため。会社員の年収に換算すると1,000万円くらいまでなら、総合課税が有利になる計算です。

ただし、注意しなければならない人もいます。まず専業主婦が年間38万円を超える配当をもらって確定申告すると、夫の配偶者控除から外れます。夫の勤務先によっては会社の家族手当も対象外になることがあるのです。

年金生活者も思わぬ影響を被りかねません。配当を確定申告すれば、課税される所得全体が膨らみ、国民健康保険料や介護保険料が高くなる可能性があるため。とはいえ、社会保険料の計算は自治体によって違い「年金と配当を合わせていくらまでなら総合課税が有利」といった試算が難しいのが実状です。

投信の分配金で配当控除を使う場合は、株の配当ほどお得にならないことも知っておきたいところ。投信の分配金のうち課税されるのは、運用益を分配する「普通分配金」だけ。投資した元本を取り崩して分配する「元本払戻金」は、税金がかからないので配当控除も使えません。さらに普通分配金は株の配当の半分しか税額控除を受けられず、所得税は最大5%、住民税は1.4%です。

この記事をシェアする


あわせて読みたい記事