ペットの細菌がアレルギーの発症を妨げる!?
ペットを家の中でたくさん飼っている人のほうが「アレルギー」になりにくというデータがあります。じつはペットのフンの細菌からは「エンドトキシン」という物質が出るのです。私たちの体は、外から来たものに対して抗体を作ります。ここで「細菌による抗体」と「アレルギーによる抗体」は、ちょっと種類が違うのです。
そして、この2種類の抗体はトレードオフの関係。細菌性の抗体をたくさん作ると、アレルギー性の抗体をあまり作らなくなります。その結果として、アレルギー性の抗体が体に存在しなくなるために、アレルギーになりにくい体になるというわけです。
実際、明石家さんまさんの長男は動物の毛のアレルギーだったとか。それが家で犬を飼いはじめたら、そのアレルギーが治ったのです。飼いはじめたときは症状がつらそうでしたが、すぐに治ったといいます。
また、南ドイツで農家と非農家の子供の家のホコリを集め、「エンドトキシン」と呼ばれる細菌成分の量を調べたところ、それが多い農家の子ほど花粉症とぜんそくを発症していませんでした。乳幼児期にエンドトキシンへの接触が少ないと免疫システムが成熟できず、アレルギー体質になりやすいわけです。農家のエンドトキシンの最大の発生源は家畜の糞。糞に触れることがアレルギーを防ぐことにつながっているのです。