血便の原因が大腸がんか痔かを判別する方法
大腸がんの早期発見は毎日の大便チェックが肝心。便の色で病気を見分けることができます。ただし、ふき取ったトイレットペーパーに血が付いていたとき、その血便の原因が大腸がんなのか痔なのか悩むところ。血便の原因の判別方法も紹介しましょう。7月26日放送『THEセンタク』の「あの病気になったらどうなる?」で紹介されていました。
便の色や形を毎日チェックする
大腸がんは、その名とおり長さ2mといわれる大腸に発生するがん。じつは早期に見つかれば、ほぼ100%完治する病気です。しかし、ひとたび発症して肝臓や肺に転移してしまうと、5年生存率が20%ほどになってしまいます。
食欲不振や便秘などが大腸がんの前兆と思われていますが、それは大きな間違い。大腸がんには自覚症状がほとんどありません。症状が出るまでにかなりの時間がかかるため、症状が出たときには手遅れ…というケースが多分にあります。
そんな大腸がんを早期に発見する方法は「毎日の大便を見ること」です。便の色や形を毎日チェックすることによって、病気がわかることがあります。
しかし、温水洗浄便座の普及などで便を見る人が減少。ふき取ったトイレットペーパーを見ない人も増えています。便を見なければ、せっかくの体からのメッセージを見逃してしまうことになるのです。
血便に痛みを伴うかどうかで判別する
そして、便の色が「赤」のときが要注意。大腸から出た出血の場合は、便の周りに赤い血がつくことが多いのです。便に赤いものが混じっている場合は、その原因は大腸と考えて間違いありません。
ちなみに、黒い便の場合は胃や十二指腸などからの出血。白い便は肝臓や胆のうの病気の可能性があります。
また、ふき取ったトイレットペーパーに血が付くことがあった場合は、すみやかに病院に行くのがオススメ。場合によっては痔などが原因のこともありますが、それが大腸からの出血からかどうかを見分ける方法がないからです。
ただし、痔の場合は痛みを伴うことが多いので、そういった場合は市販の痔の薬を1週間ほど使ってみてもよいでしょう。それでも出血が続くようであれば、必ず専門医に見てもらうべきです。
血便の原因が便秘のケースもある
血便の原因が便秘…というケースもあります。便秘で大腸が圧迫され、それによって腸の血管も広げられて血流が悪くなってしまうのが虚血性大腸炎。おもな症状は血便と腹痛、下痢です。
虚血性大腸炎は、大腸に届く血液の流れが悪くなることで、腸の粘膜に炎症がおきたり潰瘍ができたりする病気。血液の流れを悪くする動脈硬化が原因の場合もあります。
基本的に虚血性大腸炎であれば自然に治るのを待てばよいですが、大腸がんなどによって便通が悪くなることもあります。血便など異常があるときは、病院を受診するのが賢明でしょう。
とはいえ予兆が出た場合には、かなり大腸がんが進行している状態。大腸がんを早く見つけるためには、40歳を過ぎたら毎年「便潜血反応」の検査を必ず受けるようにしましょう。
血便の原因を自己診断するのは禁物
なお、血便といっても目に見えないレベルで血が混じっている場合もあります。いわゆる便潜血と呼ばれるものです。肉眼ではわからない少量の血がウンチに潜んでいることを意味します。
健康診断で潜血反応が出ると、精密検査の指示が出ます。精密検査では、どの部分から出血しているかを調べるために、エックス線検査や内視鏡検査を実施。潰瘍やポリープ、がんなどの血便の原因を調べます。
いずれにしても、血便の原因を自己診断するのは禁物。直腸がんが原因で血便が出ているにもかかわらず、以前の痔の症状と同じと自己判断してしまったために、人工肛門をつけることになったり命を落とすことになる人もいるのです。血便の原因は素人判断せずに医師の診断を仰ぐようにしましょう。
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