すぐ寝れる方法で知られる「寝る前入浴」はウソ

「お風呂で温まったらすぐ寝なさい」といわれたことは一度はあるはず。すぐ寝れる方法として「寝る前入浴」を信じて疑わない人も多いようです。しかし、寝る前入浴はすぐ寝れる方法ではありません。本当にすぐ寝れる方法は、寝る3時間前入浴だったのです。

すぐ寝れる方法ではない寝る前入浴

すぐ寝れる方法と漠然と信じられている「寝る前入浴」。じつは、すぐ寝れる方法ではありません。それは、ある実験によって裏付けられています。

脳波計をつけた「寝る3時間前入浴」のグループと「寝る前入浴」のグループで、どちらがすぐ寝れるかを調べたのです。いずれのグループも午後10時に就寝しました。

すると、早めにお風呂に入ったグループは脳波計の波の間隔が広く、熟睡している状態だったのです。脳波形は徐波睡眠と呼ばれる、深い睡眠であることを示していました。一方、寝る前入浴したグループの脳波計は波の間隔が狭く、シャープな波形。浅い睡眠で、熟睡できていないことを示しています。

じつは、すぐ寝れる方法としてカギとなるのが、脳の温度を下げるタイミングです。寝る前入浴で脳の温度を上げてしまうと、脳がなかなか冷えません。すると、すぐ寝れないのです。

そして、脳の温度をうまく下げるタイミングが「寝る3時間前に入浴」。いったん上がった脳の温度が3時間かけて徐々に下がっていきます。すると、睡眠を誘う物質であるメラトニンがたくさん分泌されてすぐ寝れるのです。

つまり「寝る前入浴」はすぐ寝れる方法としては真っ赤なウソ。逆に寝つきが悪くなります。すぐ寝れる方法の正解は「寝る3時間前入浴」なのでした。