日本生命が保険料を値下げする裏事情とは?
総資産が55兆円を超える日本生命保険が、2014年4月に保険料の引き下げにかじを切ります。最大手の攻勢によって、価格やサービスで独自性を打ち出せない生命保険会社は淘汰されることになるでしょう。
日本生命が超低金利下でも値下げをする背景には、過去の高利回りの契約が減ったことが1つの要因。もう1つは、運用利回りとの差額である「逆ざや」が解消されたことが大きな要因です。
これまでの、予定利率の引き下げに応じて契約者の保険料負担が増す構図が終焉。契約者に値ごろ感のある価格設定や配当による還元が、生命保険各社の経営課題に浮上しているのです。
これまで主力層だった50代、60代の保険契約が満期を迎えるなかで、所得が相対的に低く、独身者も多い若年層を取り込まなければ各社の保有契約は先細りが避けられません。第一生命保険も2013年、30代以下の保険料引き下げに踏み切っており、今後も引き下げの動きが続く見通しです。
ただし、複数の保障をセットにした商品では保険料の内訳が見えにくいのも事実。日本生命の保険も死亡保障や医療保障をばらばらで加入する場合は値上げとなるというからくりもあります。