健康診断の中性脂肪が基準値でも安心はできない
通常の健康診断では中性脂肪が基準値内という人6人に、特殊な方法の血液検査を行ってみました。それは揚げ物たっぷりの食事をしたあとに血液検査をするというもの。この血液検査で血清が白く濁ってしまった人が「隠れ中性脂肪」です。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。
健康診断では中性脂肪は基準値内
今回の血液検査に参加したのは50~60代の男女6人。通常の健康診断では中性脂肪は基準値内の方々です。まずは1回目の血液検査から。通常の健康診断と同じ方法で採取します。もちろん6人ともまったく問題ありませんでした。
そして、1回目の血液検査が終わったあと、揚げ物たっぷりの食事を摂りました。そのあとに2回目の血液検査を行います。さっそく結果を見てみると、6人中3人に異常が見つかりました。
通常の健康診断の場合、前日の夕食以降は何も食べずに空腹の状態で血液を採取します。つまり、ふだんの検査では見つからない隠れ中性脂肪とは、食後にだけ増加する中性脂肪ということ。その名も食後高脂血症です。
中性脂肪が食後に基準値を超える
私たちが食事をすると、脂肪分は小腸から吸収され、その後に中性脂肪へと変化。血液に乗って全身に運ばれます。つまり食後は、誰しも中性脂肪が多少は上昇するものです。
しかし、中性脂肪が増え始めるとただちにそれを分解する物質が分泌されます。それがリポ蛋白リパーゼと呼ばれる酵素です。健康な人の場合、中性脂肪が増えてもリポ蛋白リパーゼがすみやかに中性脂肪を分解。そのため、食事で上がった中性肪の数値も基準値を超えることなく元に戻ってしまいます。
ところが、なんらかの原因でリポ蛋白リパーゼの働きが弱まると、食後の中性脂肪の分解が追い付かずにグングン上昇。基準値を超えてしまうことになります。すると、食後の中性脂肪が基準値を超えてしまうのです。
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