ミトコンドリアを増やすならカロリー制限する

食事でもミトコンドリアを増やすことができます。まずは実験です。最近、体力の衰えを感じているシニア世代の男性4人に、ミトコンドリアを増やすために1日の消費カロリーから25％ひいたカロリー制限食を食べてもらったのです。『ためしてガッテン』で取り上げられていました。

長寿遺伝子がミトコンドリアを増やす

すると3週間後、体にすごい変化が現れました。被験者の足の筋肉の断面図を見てみると、ミトコンドリアDNAの量が31％も増加していたのです。食べる量を減らすとスタミナがアップするということになります。

これはカロリー制限すると、長寿遺伝子のスイッチがオンになるもの。この長寿遺伝子がミトコンドリアを増やすのです。

ミトコンドリアが増える仕組みは、運動によってエネルギーが足りない状況を作るのと同じ。カロリー制限によって体のエネルギーが足りなくなるため、結果的にミトコンドリアが増えるのです。

単純に考えると、摂取カロリーが少なくなると、そのぶんATPも少なくしようとミトコンドリアは減りそうなもの。しかし、体は摂取カロリーが少ないと、ミトコンドリアを増やそうとするのです。

じつは、ふだんの食事でミトコンドリアがATPを作るための糖や脂は十分に摂取できている状態。多少のカロリー制限でも、必要な食事は意外に足りています。だから体は、ミトコンドリアの量を増やそうとするわけです。

もちろん、痩せすぎの人がカロリー制限しても、それは体によくありません。目安としては65歳くらいまではカロリー制限をしてメタボを防止。65歳以上になったら、肉などタンパク質の多い食事を心がけるとよいでしょう。