乳癌の手術後に抗がん剤が必要かを判定する検査
乳癌の手術後、抗癌剤治療が必要かどうかを判定する遺伝子検査「オンコタイプDX」が注目を集めています。この検査は米国の検査会社が開発。日本では2007年に導入され、約200か所の医療機関が扱っています。乳癌の手術後に行われるオンコタイプDXを詳しく見ていきましょう。
乳癌の手術でとった検体を送る
乳癌の手術後に抗がん剤が必要かを判定するオンコタイプDXは、手術でとった検体を送るため、検査用に癌組織を採取する必要はありません。結果が出るまでには、約3週間ほどかかります。
京都大が日本人200人を対象に実施した研究でも、検査の有効性が確認されています。しかし、公的医療保険が適用されておらず、約40万円の検査費は全額自己負担となるのです。高額なため、国内でこの検査を受けるのは年間700人程度にとどまります。
アメリカでは公的保険のほか、ほとんどの民間保険が検査をカバー。イギリスでは2013年9月、検査の結果によっては抗がん剤を省略できるなど費用対効果が大きい…と国立医療技術評価機構が検査を推奨しました。
乳癌の手術後に抗がん剤を判定
この乳癌の手術後に抗がん剤が必要かを判定する検査は、厚生労働省の研究班も費用対効果にすぐれているとの研究結果をまとめています。日本乳癌学会は将来の保険適用を目指し、オンコタイプDXに関する研究班を設置。先進医療の対象とするよう、厚生労働省に申請する予定です。
ただし、先進医療の対象認められても検査費の全額自己負担は変わりません。民間癌保険の先進医療特約に加入している人は負担が軽くなります。
アメリカではこの乳癌の手術後に行う検査の大規模臨床試験が進行中。結果がまとまれば、よりきめ細かく対象者やリスクの点数を絞れるようになるかもしれません。
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