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偏頭痛の薬を飲みすぎで新たな頭痛を発症した

偏頭痛薬を飲みすぎで新たな頭痛が発症することがあります。偏頭痛の薬を飲み続けると痛みが強制的に抑えられるため、脳幹が本来の役割を必要ないものと勘違い。睡眠中でもちょっとした刺激で脳が興奮して頭痛がおきるるのです。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。



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偏頭痛の薬を飲みすぎで新たな頭痛を発症した


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偏頭痛の薬を飲み続けて新たな頭痛

15年間、偏頭痛の薬を飲み続けていたために、新たな頭痛を発症してしまった43歳の男性の症例を見てみましょう。男性は2年前から夜中に頭痛に襲われるようになったのです。それは目の奥をハンマーで殴られたようなズキズキする痛みでした。

そんな男性が訪れたのが埼玉県国際頭痛センターの坂井文彦先生です。坂井先生自らが開発した「頭痛ダイアリー」で、数ある頭痛を特定していく手法でよく知られています。

さっそく頭痛ダイアリーで薬の効果を見ては修正し、偏頭痛を改善に導いていきます。治療開始直後のダイアリーを見ると、午前・午後・夜とあらゆるタイミングで頭痛がおきていることがわかります。

1年半後のダイアリーを見ると、症状の記入は夜だけ。午前と午後の頭痛は完全になくなり、夜中に目覚める頭痛だけが残ったのです。ここで、夜中に目が覚める頭痛だけに絞って、その症状を詳しくダイアリーに書いてもらうことにしたのです。


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偏頭痛の薬の飲みすぎで脳幹異常

さらに1か月後、記入されたダイアリーを見ると頭痛がおきる時間がバラバラ。一見、何の規則性もないようでしたが、ダイアリーに就寝時間を書き加えてみると、頭痛は決まって就寝から4時間後におきていたのです。

明らかになった病名は「睡眠時頭痛」。睡眠時頭痛とは、睡眠中に痛みで目が覚める頭痛のこと。詳しいメカニズムはまだわかっていませんが、睡眠中の脳の状態をコントロールする脳幹の異常が原因とされています。

この男性の脳幹の異常を引き起こすきっかけと考えられるものこそ、偏頭痛の薬の飲みすぎです。そもそも私たちの体は、痛みを感じると脳幹がその痛みを抑える物質を出すようになっています。

しかし、長期にわたり用量以上の偏頭痛の薬を飲み続けると、薬の成分によって痛みが強制的に抑えられるため、脳幹が本来の役割を必要ないものと勘違いして、その機能に異常が発生します。


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偏頭痛の薬でなくメラトニンを処方

痛みを抑える物質を出さなくなるばかりか、睡眠中の脳を安静に保つこともできなくなり、ちょっとした刺激で脳が興奮。頭痛がおきて目を覚ますようになったと考えられるのです。

そして、原因解明の決め手となったのは頭痛が就寝から4時間後におきていたこと。私たちの脳は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。そして、頭痛に襲われていたのは浅い眠りのときでした。

じつは浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加。それが刺激となって、睡眠時頭痛を引き起こす一因になっていると考えられているのです。

こうして男性には偏頭痛の薬ではなく、メラトニンというホルモンの働きをよくする新しい薬を処方。睡眠中の脳の状態をコントロールするメラトニンの働きをよくして、脳に安静に保つことが睡眠時頭痛のもっとも有効な治療法なのです。

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