急性膵炎が発症する原因は胆石とアルコール
単なる胃痛と思って放置してしまうと、さまざまな臓器に異常が発生して命を落とす危険もあるのが「急性膵炎(すいえん)」です。はたして、この急性膵炎は何が原因でおこる病気なのでしょうか? 『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。
急性膵炎のリスクが10倍になる胆石
急性膵炎の原因の1つが「胆石」です。胆石は胆嚢の中に入っている胆汁が粘っこくなって固まって、石のようになったもの。とはいえ、胆嚢(たんのう)の中でコロコロ遊んでいるうちは何の悪さもしません。それが胆管という細い管に落ちていって詰まってしまうと痛くなります。それが胆石です。
胆石ができる原因は、ふだんからの脂っぽい食事。とくに動物性脂肪といわれています。一説によると、その患者数は1千万人以上ともいわれてます。また、男性と女性の胆石ができる割合は、1:3で女性に多いのです。
それではなぜこの胆石で急性膵炎を発症するのでしょうか? 胆嚢の中にできた石が何らかのきっかけで外に流れ出たとき、胆管の入り口をふさいでしまうことがあります。そして、この入り口は膵液(すいえき)の通り道でもあるのです。
つまり、胆石が場合によっては膵液の出口をふさいでしまうことに…。膵臓(すいぞう)では膵液がどんどん作られていますから、それがどんどんたまってしまうというわけです。ちなみに胆石がある人は、ない人に比べて急性膵炎を発症するリスクは10倍以上もあるといわれています。
急性膵炎リスクを高めるアルコール
急性膵炎のもう1つの原因が「アルコール」です。膵液は正常な場合はサラサラですが、ふだんからお酒を飲んでいる人はお酒によってドロドロしてきます。このドロドロ状態が続いているときに深酒してしまうと、膵臓の出口のところに詰まってしまうのです。
通常の胃の痛みや逆流性食道炎というのは、そんなに急激に痛みは来ません。このため、アルコールを飲んだあと急激にものすごい痛みが出たときは、腸閉塞や急性膵炎、アニサキスなどが疑われます。ゼロから100までボンと痛くなるのです。
急性膵炎を発症するリスクが高まるのは、ふだんから1日に60g以上のアルコールを摂取している場合。アルコール60gというと、ビールでいうと1.5リットル、日本酒で2合半、ワインでグラス5杯程度です。くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。
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