高尿酸血症は心臓病の死亡リスクが2倍になる
痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気です。しかし、尿酸値が基準値を超えていながら痛風を発症していない人も「高尿酸血症」という立派な病気。そして、それは動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす危険があります。放っておくと命に関わる危険があるのです。
痛風を発症していない高尿酸血症
63歳の男性は49歳のときに痛風に襲われました。まるで骨が折れたのではと思ったほどの痛みだったとか。どうにか病院に急行して治療を受けると、何事もなかったように症状が落ち着いたといいます。
ところがその後、思いもよらぬ病気が男性を襲ったのです。なんと「心筋梗塞」でした。心臓に酸素を送るための太い血管が閉じてしまっていたのです。血管を広げる緊急手術で、なんとか一命を取り留めました。
じつは、尿酸値の基準値を超えても激痛に教われる人はほんの1割ほど。残りの9割は、痛くもかゆくもないのです。この尿酸値が基準値を超えていて痛風を発症していない「高尿酸血症」の人こそ、死の危険が迫っているのです。
高尿酸血症の人は血管で動脈硬化
尿酸値が高いラットと通常のラットで血管の断面が比べてみると、尿酸値が高いラットは血管の内側が分厚くなった状態だったとか。これは尿酸値が高いと、血管の細胞が尿酸を多く取り込んで炎症が発生。血管が分厚く変化してしまうのです。
すなわち、尿酸値が高いながらも痛風になっていなくても、動脈硬化が血管の中で進行。血管の中に、小さなコブができていたりするのです。
また、心筋梗塞は動脈硬化が進行することや血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓ができてしまうことにあります。尿酸値が高い人は、心臓病での死亡リスクが2倍近くも高い…という報告もあるほどです。
尿酸値は痛風だけではなく生活習慣病の重要なサイン。高尿酸血症にならないよう、健康診断の尿酸値の数値をしっかりチェックするようにしましょう。
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