更年期障害による熟年離婚が増えている現実
「更年期障害」がある社会現象を引き起こしている可能性があります。それが、長年連れ添った夫婦におこる「熟年離婚」です。同居して20年以上の夫婦についての離婚件数の推移を見てみると、1980年で10,000件前後だった件数が、2007年には40,349件に。この30年間で、離婚件数が4倍と急増していたのです。
離婚の原因はさまざまですが、更年期障害で体調が不安定な妻が、夫の行動を許せなくなる…という理由が増えているようです。夫婦間の些細な出来事でイライラが募り、やがては熟年離婚に発展していくケースが増えています。
とある病院を訪れた、実際の患者さんの話を紹介します。東京都在住の女性(52歳)は、子どもが独立して夫婦2人きりの生活が始まりました。結婚して25年、夫に尽くすことが当たり前の生活。ところが、ある日の夜「お前は昔はキレイだったよなぁ」という夫の何気ない言葉に、激しい怒りが込み上げます。
夫の言葉が頭から離れず、ついには眠れなくなった女性の体に異変が現れました。動悸・息切れ、さらにめまいや吐き気に襲われたのです。夫の心ない言葉が、更年期障害の悪化を加速させたのです。更年期障害に対する夫の無関心、これも熟年離婚が増えている原因といわれています。
一方で医学的には、独身を貫くのではなく結婚していたほうがよいという研究が発表されています。アメリカのルイスビル大学の研究によると、独身の人よりも結婚しているほうが寿命が10年も長いとか。互いに暴飲暴食を気遣ったり、体調が悪ければ病院へ行くことを促したり…。そんな夫婦間の支えが、寿命に影響を与えているといるのです。
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