耳くそ掃除は月1回程度で入口から2センチまで
耳くそを取るために綿棒を使うという人は多いはず。しかし、耳くそ掃除はやり方を間違えると、逆に耳を詰まらせて難聴になってしまうことがあるのです。耳くそが詰まった状態を耳垢栓塞(じこうせんそく)といいます。正しい耳くそ掃除のやり方を見ていきましょう。『ためしてガッテン』で紹介されていました。
ヒマワリの種ほどの巨大な耳くそ
まずは耳くそ掃除のやり方を間違えて、実際に耳垢栓塞になってしまった症例を見ていきましょう。当時の耳くその取り方は綿棒を使って1日に1回ほど耳掃除をしていたといいます。再現してもらうと、とくに変わった様子はありません。
最初の異変がおきたのは仕事中。ふと左耳に薄い膜が張っているような感覚に襲われたのです。何か詰まっているのかと思って何度も耳くそ掃除をしましたが、何も出てきません。
そして、2週間後にお風呂に入っていたとき突如、左耳がまったく聞こえなくなってしまったのです。パタッとフタが閉まったような感覚でした。男性はあわてて病院へ向かいました。耳の奥を調べてもらった医師の診断は「耳垢」。取り出されたのはヒマワリの種ほどの巨大な耳くそ。耳くそが耳栓となっていました。
耳くそ掃除は1か月に1回で十分
耳くそはそもそもは耳の皮膚からできたものです。耳の皮膚は鼓膜の真ん中から生まれ、それが全方向に引っ張られるようにして成長。鼓膜から移動してきた皮膚は、耳の入り口に近い骨と軟骨の境目ではがれ落ちます。ここで粘液などと一緒になって耳くそとなるのです。
男性から取り出された耳くそがあった場所は、鼓膜のあたり。じつは綿棒で、せっせと耳くそを押し込んでしまっていたわけです。耳くそ掃除のやり方を間違えたことが、耳垢栓塞の原因でした。
耳くそ掃除は1か月に1回程度で十分。そして、耳くそを取る場所は耳の入口から2㎝くらいまで。それ以上、中に入れるのはよくありません。触ると敏感に感じるところの手前までが、正しい耳くそ掃除のやり方です。
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