アルツハイマーは発症の20年前から進行中!?
「アルツハイマー病」が新しい記憶を忘れやすいのは、脳の中心部に位置する記憶に関わる器官「海馬」に病変がおきるため。その後はどのような進行をたどっていくのでしょうか? アルツハイマー病の進行段階を学んでいきましょう。『林修の今でしょ!講座』で紹介されていました。
アルツハイマーは新しい記憶を忘れる
海馬というのは「短期記憶」を司っているもの。だからこそ、アルツハイマー病は朝ご飯を食べたことなどを忘れてしまうのです。一方で、自分の住所や名前などは「大脳皮質」に入っています。最初に海馬に病変が出てきたときに、大脳皮質にはあまり病変がありません。このため、古い記憶は忘れずに、新しい記憶だけを忘れてしまうのです。
ところが、だんだん症状が進行すると「脳の前側」に病変が出現。ここは人格を作っていたり感情をコントロールしたり、社会性を作っている部分です。すごく怒りっぽくなったり、理由もないのに隣の人を殴ったり、夜に街を徘徊したり…という症状が出てきます。
なお、心臓を動かしたり呼吸をコントロールしたりする部分は「脳幹」の部分。アルツハイマー病では、ここにはほとんど病変は来ません。このため、高度な認知機能が侵されていくのに、心臓や呼吸のような植物性機能は最後まで温存されるのです。
アルツハイマーは50~55歳から始まる
このアルツハイマー病は、最初に脳に病変が出始めて記憶障害の症状が出始めるまでに「20年」くらいかかります。じつは、記憶障害が始まるまでに20年の無症候期間があるのです。
典型的な人は75歳くらいに記憶障害で初めてアルツハイマー病と診断されますが、脳の病変は「50~55歳」から始まっています。最初の20年間は症状は出ていませんが、脳の中では異常なたんぱく質が増え続けている状態なのです。
発症したアルツハイマー病の進行段階は次とおりです。
【アルツハイマー病の進行段階】
- 記憶障害がおこる
- 幻覚・妄想を抱く
- 会話・生活が困難に
- 寝たきり状態になる
海馬の病変が記憶障害をもたらしますが、それが脳の前側に広がったときに「幻覚・妄想」が出てきます。さらに大脳皮質のかなりの部分に広がると、会話や日常生活ができなくなって、最後はただベッドに横たわっている寝たきり状態になるのです。
■5月13日放送『林修の今でしょ!講座』
【認知症・アルツハイマー病2時間SP】
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