左肩が痛いのは心筋梗塞のサインかもしれない
左肩が痛いのは心筋梗塞のサインかもしれません。そこで、左肩が痛い症状を放っておいたがために、心筋梗塞で緊急入院した男性の症例を見ていきましょう。左肩が痛いという症状が出て半年後に、心筋梗塞を発症したのです。『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。
左肩が痛いのは職業病と誤解
東京都内に在住の72歳の男性は、いまから25年前の48歳のときに心筋梗塞と診断されました。最初の異変は、診断の半年前におこったといいます。それがズキンズキンという左肩が痛いという症状だったのです。
それは左肩だけに感じた強いこり。不思議なことに右肩にはまったく痛みがなかったといいます。当時は蕎麦屋を経営していた男性は、これを職業病と誤解。出前の重みで圧迫されて左肩が痛いのかなと思っていました。
その左肩が痛いのは24時間、常に続いている状態。しかも、マッサージを受けても一向に改善しなかったのです。すると最初の左肩が痛いという症状が出てから半年後、男性の体に決定的な出来事がおきます。仕事場で突然、のどに何かが詰まったような息苦しさが襲ってきたのです。
左肩が痛いという症状が再発
あまりの苦しさに自ら病院を訪れた男性。すると医師から意外な病名を告げられたのです。診断は心筋梗塞でした。心筋梗塞は心臓に血液を送る血管がなんらかの原因で詰まり、心臓の細胞が死んでしまう病気です。
最悪の場合、突然死してしまうこともあります。日本で心臓の病気で亡くなる人は年間およそ19万7千人。心臓の病気すなわち心疾患は、日本人の死因で男女とも第2位。その中に心筋梗塞も含まれています。
男性はそのまま緊急入院。血管の詰まりかけた部分をステントと呼ばれる網状の筒で広げるカテーテル治療で一命をとりとめました。しかし、この男性はその後、64歳と68歳のときに心筋梗塞を再発。同じ左肩が痛いという症状に襲われたといいます。
左肩が痛いのは脳の錯覚「放散痛」
心筋梗塞などの心疾患の場合、通常は胸が痛いと感じます。ただし、胸の痛みを感じる神経と肩や腕の痛みを感じる神経、とくに左肩の神経は非常に近いところを走行しているのです。
このため痛みの信号が混信してしまい、本来は心筋梗塞で胸が痛いはずなのに、脳が左肩が痛いと錯覚してしまうというわけ。こういった、本来の症状とは別の場所に出る痛みは「放散痛」と呼ばれます。
このため、心筋梗塞などの心疾患では左肩だけでなく、左腕や首、あごなどに痛みが出る場合があるのです。歯の痛みというのも結構多いケースで、その場合は奥歯であることがほとんど。前歯が痛いとか上の歯が痛いという人はほとんどいません。
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