妊婦の体重増加は7~12kgが推奨ガイドライン
厚生労働省の人口動態調査によると、2014年の低出生体重児の割合は男児が8.4%、女児が10.7%です。1980年ごろから増え始め、高止まりが続いています。厚生労働省は低体重児の増加に歯止めをかけるため、妊婦の体重増加を7~12kgが推奨ガイドラインとしてます。
妊婦の体重増加を避ける傾向が影響
低出生体重児は、出生時の体重が2,500g未満だと分類されるもの。低出生体重児が高止まりしている背景には、出産後も体重を維持したい妊婦が多いことから、妊婦の体重増加を避ける傾向が影響しています。
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、BMI指数が「18.5未満」でやせ形に分類される女性は、2014年の調査で10.4%でした。これは10年前より1ポイント近く上昇した数値です。
とくに出産年齢とされる20代は17.4%、30代は15.6%と高い水準となっています。妊婦の体重増加を避ける傾向が現れた結果といえるでしょう。ちなみに、BMI指数と呼ばれる体格指数は体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値です。
妊婦の体重増加の推奨ガイドライン
妊婦の生活習慣による影響も明らかになってきました。環境省が2011年から始めた環境物質による子どもの影響を調べる「エコチル調査」で、約1万人の妊婦を調べたデータがあります。
その調査によると、妊娠中にたばこを吸い続けた母親から生まれた赤ちゃんは、吸わない妊婦と比較して出生時体重が平均100g以上少なかったのです。これは妊娠中の喫煙が胎児への酸素や栄養の供給を減らし、成長を阻害するために体重が減少したと見られます。
厚生労働省は低体重児の増加に歯止めをかけるためのガイドラインを公表しています。妊婦の体重増加についてBMI指数でやせ形の人は9~12kg、普通は7~12kgを推奨。肥満の人については個別対応としています。
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