特養ホームは要介護3以上で利用できるが待機多数
「特養ホーム」とは、社会福祉法人や地方自治体が運営している介護保険施設「特別養護老人ホーム」のこと。正式名称は「介護老人福祉施設」です。「特養」と呼称されることもあります。介護保険施設とは、介護保険サービスとして要介護認定を受けた人が利用できる居住型の介護施設のことです。特養ホームについて詳しく見ていきましょう。
特養ホームは比較的安価で待機期間
介護保険サービスとして利用できる介護保険施設には3種類あって「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設(介護医療院)」になります。このうち「特養ホーム」は介護老人福祉施設に当たります。
特養ホームは、要介護3以上の中重度の高齢者が生活するための施設です。日常生活に必要な介護を中心に、レクリエーションやリハビリなども提供します。原則個室とされていますが、4人部屋の多床室も多く存在しています。
特養ホームの特徴としては「公的な施設であるため比較的安価に入居できる」「看取りの対応が可能なため終の棲家となりうる」「地域によっては入居までに待機期間がかかる」の3つ。入浴、排泄、食事といった日常生活の介護や機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことになっています。
特養ホームの入居条件には特例あり
特養ホームの1施設あたりの定員は68.9人となっていて、1施設あたりの利用者数は66.6人。利用率は96.6%となっています。ちなみに、部屋タイプ別の構成割合を見てみると、個室が74.6%、2人室が7.7%、3人室が0.8%、4人室が16.9%です。
特養ホームの定義は「65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものを入所させ、養護することを目的とする施設」です。
このため、特養ホームの入居条件は「65歳以上で要介護3以上の高齢者」「40歳~64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の人」「特例により入居が認められた要介護1~2の人」となります。
特養ホームの費用の1人あたり平均
ちなみに、特養ホームの要介護度別在所者数の構成割合を見てみると、要介護1が1.4%、要介護2が4.2%、要介護3が24.3%、要介護4が37.8%、要介護5が32.3%。要介護4がもっとも多くなっています。
特養ホームの1人あたり床面積は10.65平方メートル以上となっており、平均的な1人あたり費用額は月で約27.6万円。2017年の調査では全国に7891施設あり、利用者は54万人以上となっています。介護サービス利用者全体のおおむね7人に1人が利用している計算です。
なお、定員が29名以下の特養ホームは、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)と呼ばれます。
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