「相続放棄」を知らずに借金3千万円を返済
「遺産相続トラブル」でもめてしまった50代の男性。「遺産相続に関する知識がまったくなかった」と反省する日々。「相続放棄」という制度を知っていれば、3,000万円もの借金の返済から免れていたのです。2月6日放送『あのニュースで得する人損する人』で紹介されていました。
昨日まで元気に働いていた父親が、急性心不全で他界しました。小さいながらも自動車整備工場を一代で築き上げてきた父親。葬式が終わって遺品を整理していると「3,000万円」の借金を発見したのです。
残された男性たちは「とりあえず皆でがんばって返すしかないだろう」「借りたものは返さなければならない」ということに…。父親の生命保険で下りた「2,500万円」と兄弟3人の貯金を切り崩して、借金3,000万円を返済しました。しかしこれが、この男性を苦しめる大きな仇となったのです。
あとになって知ったのが「相続放棄」という手続きです。相続においては、親が多額の借金を残して亡くなった…など、プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は「相続放棄」という手続きをとることができます。相続放棄という手続きをとれば、借金を相続しなくてもよくなるのです。
相続放棄を知った男性は、その手続きをしようと試みますが「時すでに遅し」。じつは相続放棄には、2つの条件があるのです。1つめは、自分が相続人だと知ってから「3ヶ月以内」に手続きをしなければなりません。もう1つは、その3ヶ月の間に遺産に手を付けてはいけません。
つまり、この男性が父親の借金を1円も返済せぬまま、3ヶ月以内に相続放棄の手続きをとっていれば、3,000万円もの借金を返済することから免れていたのです。親の借金を早く返したい…その思いが大きな仇になりました。