三叉神経痛の痛みは神経ブロック注射が効果的
洗顔・化粧・歯磨き・ひげそりのときや、噛んだり冷たい水を飲んだときに、一瞬の走るような顔の痛みを感じることはありませんか? それは「三叉神経痛」かもしれません。この三叉神経痛は薬を飲むことで治まりますが、場合によってはだんだん薬が効かなくなることも…。三叉神経痛の原因と治療法を見ていきます。

三叉神経の原因は周囲の血管の圧迫
「三叉神経痛」とは、顔面の痛みなどを感じて脳へ伝える三叉神経という知覚神経に何らかの異常で痛みが出る病気です。三叉神経は脳幹部から左右に出て、おでこ、ほお、あごの3方向に枝分かれしており、その部分に痛みが出ます。
突然、痛みが始まることが多く、食事や話をするだけでも痛むようになります。2月や11月といった季節の変わり目に出やすい傾向があるのも特徴です。
三叉神経痛の原因は、はっきりしていません。三叉神経が周囲の血管に圧迫されるためにおきるという説が有力です。実際、三叉神経痛は中高年の年代で多く発症。加齢に伴って血管が蛇行し、神経に当たるようになると考えられています。
ふだんの生活の中で痛みを改善させるなら、蒸しタオルなどで痛む部分を温めると痛みがやわらぐことがあります。ただし、痛みが続くようなら神経痛の専門医を受診するようにしましょう。別の原因で炎症がおきていることもあるからです。
三叉神経痛には神経ブロックが効く
三叉神経痛には、一般の鎮痛剤は効きません。神経が過敏になるのを防ぐ抗けいれん薬がよく使われます。一般的には「カルバマゼピン」という飲み薬がよく処方されます。
薬で改善されなければ、神経からの痛みの伝達を遮断する「神経ブロック」という方法があります。神経のあるあたりに薬を注入したり、熱で焼き固めたりするものです。確実にブロックできれば痛みが止まります。
ほかにも、三叉神経痛の神経に当たる血管の圧迫を取り除く手術があります。こちらは、痛みを根本的になくせる可能性があります。若い人や神経ブロックの効果が短い人は、この方法を考えてもよいでしょう。
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