花粉症で手術を選択する患者はじつに5%に及ぶ
冬から春にかけ多くの人を悩ますのが「花粉症」。最近は効果の高い薬が登場しており、治療の選択肢も広がっています。しかし、なかには薬では十分に治療できない重症患者も多いのも事実です。そんな花粉症治療の選択肢の1つが手術。じつは花粉症患者で治療に手術を選択する人は5%にも及ぶのです。
花粉症の手術は鼻粘膜を焼き固める
花粉症は我慢してもよくなることはない病気。目のかゆみや鼻水、くしゃみなどを発症したら、速やかにアレルギー薬を服用するのが賢明です。薬を飲まないでいても、花粉症に対する抵抗力が強くなることはありません。
そして、花粉症治療の選択肢として頭に入れておきたいのが手術です。手術は基本的に、花粉に過敏に反応する鼻粘膜の表面を焼き固めるなどして、花粉に過剰に反応しないようにします。
粘膜表面を焼く手法はレーザーや電気メス、超音波メスなど。鼻づまり型の花粉症には、粘膜を切り取って粘膜の量を減らす方法もあります。鼻の穴を広げることで、空気を通りやすくするのです。
花粉症手術による効果は長くて1年
ただし、花粉症の手術による効果は長くて1年ほど。毎年、花粉症が流行する季節の1か月ほど前に、手術を受けるのが一般的す。手術後は軽度の痛みがあったり、かさぶたができたりすることがあります。
花粉症の治療では、手術のほかアレルゲン免疫療法も注目です。別名「減感作療法」と呼ばれるもので、花粉などのアレルギーの原因物質をごく少量口に含んだり、注射したりすることで体を慣れさせる理療法です。
注射の治療は公的医療保険が使えますが、週1回の長期通院が必要になります。口に含む治療も保険適用されました。なお、過剰なアレルギー反応に伴うアナフィラキシーのリスクがあるため、治療を受けられる医療機関は限られます。