多発性硬化症の症状に本人はなかなか気づかない
多発性硬化症は脳や脊髄の神経に炎症がおこる病気。手足のしびれやまひ、視力の急激な低下などの症状をもたらす難病です。多発性硬化症を発症すると、再発と症状の治まる時期を繰り返します。このため、再発をいかに抑えるかが重要です。多発性硬化症の症状を詳しく見ていきましょう。
多発性硬化症の症状が出る原因
多発性硬化症は脳や脊髄、視神経などに病巣ができる病気。多発性硬化症の症状としては「手足の感覚が鈍くなる」「視野が狭まる」「脳の認知機能が低下する」などです。
多発性硬化症は30歳前後で発症する例が多く、男女比は25%が男性で、女性は75%ほどになります。もともとは欧米に多い病気でしが、最近では日本国内でも患者が増えているのが現状。国内の推計患者数は2万人といわれています。
多発性硬化症の症状が出る原因は、細菌や病原体から身を守る免疫が誤って自分自身を攻撃してしまうことにあります。免疫の作用で神経が侵されると、情報がうまく伝達できなくなって発症するのです。
多発性硬化症の症状をやわらげる
多発性硬化症は発症しても、その症状に本人はなかなか気づきません。眼科や整形外科などの受診をきっかけに見つかる例が多いのです。診断では眼球運動やMRIなどの検査を組み合わせて慎重に判断します。
多発性硬化症の治療は、急性期ではステロイド剤の点滴などで炎症を抑えるほかありません。大切なのは、症状の治まっている時期にいかに再発予防できるかです。
また、多発性硬化症の症状をやわらげるには、再発予防の治療とともにリハビリが有効。症状の出ていない時期にリハビリすることで、運動機能の回復を目指します。ただし、体温が上がりすぎると症状が出やすいため、過度な負荷は避けなければなりません。
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