リンパ浮腫の治療は早めのマッサージと圧迫療法
リンパ浮腫の原因は、全身の皮膚のすぐ下に張り巡らされたリンパ管を通るリンパ液にあります。何らかの原因でリンパ液がのれが滞って外にしみだし、皮下組織に過剰にたまった状態がリンパ浮腫です。リンパ浮腫の原因とその治療法を詳しく見ていきましょう。
リンパ浮腫ががん治療で発症する
リンパ浮腫は、わきの下や足の付け根にあるリンパ節が手術で切除されることでもおきます。ひどくなると、太さがふだんの倍近くになり、手首や足首が回りにくくなったり痛みが出たりするなど、生活に支障が出る場合もあります。
がんの手術でリンパ浮腫がおきやすいのは乳がんや子宮がん、卵巣がん、前立腺がん、皮膚がんです。ただし、手術を受けた人すべてが発症するわけではありません。また、女性が大半を占めています。
東京都江東区にあるがん研有明病院では、2011年に子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの手術を受けた女性約200人のうち、1年後までにリンパ浮腫が出たのは約2割でした。発症時期は個人差が大きく、手術から10年を超える例もあります。
リンパ浮腫の治療に公的保険の手術
リンパ浮腫はむくみに気付いたら、早く治療を始めることが重要です。症状を改善させ重症化を防ぐには、マッサージと圧迫療法が基本となります。
マッサージは、わきの下や足の付け根をゆっくりさすることで、正常に機能しているリンパ節の働きを活発化。リンパ液の流れをよくします。圧迫療法は、特殊なストッキングやサポーターを装着。皮下組織に圧力をかけ、リンパ液が皮下脂肪にたまるのを抑えるのです。
リンパ浮腫の治療には、足首や足の付け根、わきなどでリンパ管と静脈とをつなぎ合わせ、たまったリンパ液を静脈に流し込むという、公的医療保険が使える手術もあります。
とはいえリンパ浮腫の症状が劇的に改善することはなく、術後さらに圧迫療法が必要になる場合もあるのです。それでも、リンパ浮腫に悩む患者にとっては有効な選択肢になっています。
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