腸内環境改善に効果的な発酵食品の食べ方とは
腸内環境を改善して若々しい腸を保つにはどうすればよいのでしょう? じつは大腸がんの死亡率がもっとも少ない都道府県は滋賀県。そこに腸内環境を改善する発酵食品の食べ方があったのです。『みんなの家庭の医学』の「老けない身体の新事実」で紹介されていました。
滋賀県民の腸内細菌の状態を調査した
まずは滋賀県民の腸年齢の調査から。検査方法は検便です。腸が若々しいか老けているかの腸年齢は、腸内細菌の状態で決まります。
腸内細菌は2種類。消化吸収を助けるだけでなく有毒物質から腸を守り健康にしてくれる善玉菌と、その逆におならの元となるガスや有毒物質などを作り出して腸を老化させる悪玉菌があります。
善玉菌は年とともに減少するのに対し、悪玉菌はどんどん増加するもの。腸の悪玉菌が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが高くなり、善玉菌が多ければ多いほど若々しい腸と判断できるのです。
腸内環境改善のポイントは発酵食品
滋賀県民13人の腸年齢を調べてみたところ、そのうち9人が実年齢よりも若い腸を持っていることが判明。それでは、どうして滋賀県民は腸年齢が若いのでしょうか?
滋賀県民の腸内環境改善されるポイントは「食事」と「生活習慣」の2つ。実際に腸年齢が30歳も若かった70代の夫婦の食事と生活習慣を見ると、発酵食品に特徴がありました。
ふなずしや漬け物などの発酵食品は、発酵の過程で旨味が増えるだけでなく「乳酸菌」が大量に増殖。乳酸菌を豊富に含んだ発酵食品を食べると、乳酸菌は大腸で善玉菌のエサとなり、結果として善玉菌が増えるのです。
腸内環境が改善する発酵食品の食べ方
さらに、この夫婦はより腸内環境が改善する発酵食品の食べ方をしていました。それは、発酵食品の品数にあります。ヨーグルトやふなずし、たくあん、甘酒、ぬか漬け、ぜいたく煮、うぐいのなれずし、納豆…と、1日で8品も食べていたのです。
発酵食品について、スペインのグラナダ大学による研究結果があります。それは一週間にチーズやヨーグルトなど8種類以上の発酵食品を食べている人たちに、発酵食品の摂取をやめてもらうというものになります。
すると2週間後、腸内の善玉菌の数は著しく減少したのです。そこで発酵食品を1種類だけ食べ始めてもらいました。しかし、さらに2週間たっても腸内の善玉菌の数は元のレベルまで戻らなかったのです。
つまり、腸内細菌の改善するためには、1種類の発酵食品の摂取よりも多種類の発酵食品が効果的。滋賀ではそれが当たり前に行われていたのです。
食物繊維は腸内環境改善に打ってつけ
さらに漬け物は、乳酸菌だけだなく食物繊維も含む一石二鳥の食べ物。漬物に含まれる食物繊維は大腸に届き、便のかさになるだけでなく善玉菌のエサにもなります。腸内環境の改善には打ってつけです。
実際、滋賀県は京都のお隣の県だけあって、古くから独特の漬け物文化が開花。滋賀の家庭を訪ねてみると、多くの家で自家製の漬け物樽を見ることができます。スーパーに行っても近江漬物という名前で、この地方独特の漬け物がたくさん並んでいました。
このように、滋賀県民の腸内環境が若かった理由は2つ。毎日、数種類の発酵食品を食べていること、そして食物繊維を豊富に摂取していることです。これを見習えば、腸内環境改善は夢ではありません。
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