マンション売却を10年後に想定する理由とは
消費税の税率アップ前の駆け込み需要終了後も、住宅ローン減税が拡充されることなどを背景に、首都圏を中心としてマンション販売が堅調です。ただし、住み替えを念頭に置く場合はマンション購入時に売却まで見据えた視点も必要でしょう。
物件を買う前に10年後にいくらで売れるかイメージすることが重要。10年後が一つの節目になるのは「ライフスタイルが変化しやすい」「修繕積立金の増額前にあたる」「住宅ローン減税による税額控除が10年で切れる」などの事情があります。
このため、購入したマンションがいかに高く売れるかという「出口戦略」が重要になってきます。そのときに参考になる指標が新築時からの価格維持率を示す「リセールバリュー」です。
東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県の首都圏における、築10年のマンションのリセールバリューは「90.4%」。値下がり率は約1割でした。不動産市況が低迷していた2002~03年当時に新築だった物件ということもありますが、千代田/中央/港/新宿/文京/渋谷といった都心6区だと「101.7%」で逆に値上がりしているのです。
一方で買い手は、築10年以内の中古マンションを望んでいる人がほとんどであるという点も無視できません。中古住宅購入を検討する人のうち、67%が築年数にこだわり、このうち60%が10年以内を条件としているからです。