家計が苦しいときは「固定費見直し」が肝心
家計が苦しくなると、多くの人が「小遣い」や「食費」「被服費」「レジャー費」など、おもに財布から支出する「やりくり費」を節約する傾向があります。やりくり費はすぐに手をつけられますが、削りすぎると生活水準が低下したように感じてしまうのが難点です。
切り詰めるなら、家計の「固定費」からです。固定費は「住宅ローン」「保険料」「水道光熱費」「通信費」といった口座から引き落とされるお金のこと。これらの多くは毎月の大きな変動はありませんし、削っても生活水準の低下には直結しません。しかも、効果が長く続くのがうれしいところです。
固定費削減の代表格は「生命保険の見直し」です。一般的に一家の大黒柱には高額な「死亡保障」がかけられます。ところが、子供が大きくなるほど必要な死亡保障は減少。加入している死亡保障額が、必要な保障よりも大きすぎることがよくあるのです。保障を小さくすれば、保険料も下げられます。
また、同じ内容の保障でも、保険会社によって保険料は千差万別。「タバコを吸わない」「健康状態が一定以上」という条件で、保険料を割り引く商品もあります。見直しには、複数社の商品を比べて検討することが大切です。
「自動車保険」の見直しも効果的。年齢や使用目的などで保険料が変わる自動車保険が主流になっており、条件によって保険料が下がります。これも複数の保険会社を比較することが大切。ネット保険商品には、保険料の安いものが多くあります。
「住宅ローン」を返済中であれば、借り換えによって効果が出るかもしれません。現在は日銀による「異次元の金融緩和」の真っ最中。非常に低い金利が続いています。数年前に借り換えた人でも効果が出る人は多いはずです。例えば5年前に住宅ローンを借り換えたなら、変動金利は「1.075%」、当初10年固定金利は「1.95%」程度という条件が多いはずです。それが現在は、変動金利は「0.775%」、10年固定は「1.45%」程度まで下がっています。
5年前に10年固定「1.95%」で借り、借り入れ残額が2千万円、25年の返済が残るケースで試算しましょう。これを10年固定「1.45%」で借り換えると、月々の返済が5千円近く減少。25年で計70万円以上の削減効果が見込めます。さらに契約を結び直すので、固定金利の期間が5年延長するのです。
このように固定費削減には「比較・検討」が大切。早ければ早いほど大きな効果が期待できますから、面倒がらずに手間をかけて見直しましょう。